概要
製作:2010年日本
配信:クロックワークス
監督:小美野昌史
出演:石井正則/山口祥行/和希沙也
俊介はマイホームに妻と幼い息子を持ちながら、長年の愛車ハチロクで夜な夜な一般道を爆走する走り屋としての性を未だ捨てられずにいた。だが、業を煮やした妻が勝手に車をプリウスに買い替えてしまう。とうとう走り屋を卒業し、家族サービスに勤しむようになった俊介。しかしその帰り道、改造されたインサイトに煽られたことでプリウスでの爆走に目覚めるのだった。
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感想
スポーツカーで爆走するカーアクション映画は数あれど、その辺に沢山いるただのプリウス(3代目)とインサイト(2代目)で闘う作品は多分これだけ。ってことで前々から見たいと思ってたら、いつの間にかU-NEXTに入荷していたので観てみました。
しかし作品の出来としては案外普通です。「いい年して車になんかうつつを抜かしてないでちゃんと家族サービスしてよ!」と主張する妻子と、軽く抵抗はするものの「まあ確かにそうだよなあ…」くらいの反応で大して葛藤もしない主人公・俊介の織り成す緩めのホームドラマ。
むりやり愛車をプリウスに替えられたものの、インサイトに煽られたことで「エコカーでもカネかけてチューンすれば結構イケるんだ!」となり、再び夜な夜な暴走行為を始める俊介。私はマフラー4本出しのプリウスが大爆音を立てて走っているところを間近で見たことがありますが、実に空虚な印象を受けました。本人が楽しければ別にいいんだけど、超うるさかったしわざわざプリウスでやる意味が分からない。
まるで糖質カット系お菓子に砂糖をドバドバかけて食べているかのような矛盾を感じますが、カスタムショップで足回りにカネをかけてもエンジンは手つかずでパワーはそのまま。実際のところ、爆走中にチラッと映ったメーターを見る限り最高時速104キロしか出していません。舞台は高速道路なので特に問題はない速度。爆走してるように見えて実はそうでもなく、映像が早回しなだけ。ショップでは「パワーは変わらないけどコーナーで勝負よ!」みたいなこと言ってたけど高速なので全然大したカーブがない。色んな意味で落ち着いた大人の映画と言えます。
そのため、一見男のプライドをかけた激しいバトル中であっても、非常にのんびりしたBGMがかかっています。あれはかなり気が抜ける。というか、クライマックスでは奥さんと子供を乗せてインサイトと競ってるんですよね。ハイブリッド・バトルというか、もはや
「ハイブリッド・ドライブ
プリウス&インサイト」
の方がしっくり来る雰囲気。
そんな彼らの出した結論は
「走り屋はもうやめる…
今後は燃費バトルにしよう!
1リットルで何キロ走れるか勝負だぜ!」
…ある意味斬新ですが、クルマ好きな人からすれば激しくどうでもよく、そうでない人はそもそもこんな映画を観るわけがない。私はもっと真剣に「あえてエコカーで限界まで攻めて闘う」映画だと思っていたので、このヌルさには苦笑い。もしかして普通にプリウスとインサイトの宣伝映画だったんですかね? スピードより燃費、バトルより家族。クオリティ自体はクソ映画っていうほど酷くないとはいえ、どんな人ならこれを楽しめるのかよく分からないコンセプトの作品でした。
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