「ディープ・ウォーター」 感想 BIG2より怖い人間の欲

概要

原題:Fear Below

製作:2025年オーストラリア

発売:アメイジングD.C

監督:マシュー・ホームズ

出演:ハーマイオニー・コーフィールド/ジェイク・ライアン/アーサー・エンジェル/ジェイコブ・ジュニア・ナイングル


第二次世界大戦後のオーストラリアで、あるマフィアが金塊を積んだバンを川に転落させてしまう。怪しい依頼と知りながら、倒産寸前の潜水会社が回収作業を請け負うが、その川には巨大なオオメジロザメが巣食っていた…


予告編

感想



最近またサメ映画で引っ張りだこのオオメジロザメが破産寸前の潜水士たちを襲ってくるプロレタリア・シャーキング・パニック最新作。



配給会社は「”人喰いサメBIG2”の一角が出現!!」などと煽っています。

いつの間にかホホジロザメと並んでサメ映画界のトップに上り詰めていたとは…



あんまりやる気のないタイトルとジャケで期待薄でしたが、意外にも真っ当な出来で面白いです。逆にサメ映画としては真っ当すぎるのが難点といえば難点かな。サメの出番も大して多くはないですからね。とはいえ、第二次大戦後間もないオーストラリアが舞台というのは珍しくて良い。変に奇をてらわなくても充分新鮮味があります。生活に困った潜水士たちがマフィアからの依頼とはいえ250ポンドもの大金をもらって大喜びする導入など感情移入度は高く、人間ドラマとして楽しめます。



ところで当時の250ポンドって今の感覚だとどのぐらいの価値なんでしょうかね。最初は日当で10ポンドを要求していたので、それが3人分とすると1ポンドで6000円くらいなんだろうか。となると、150万円かな…もっと高そうな気もするが…



本当に潜水士たちがうれしそうなもんで、いざ仕事にかかるとこちらもつい「もうサメなんて出てこなくてもいいのにな…」とか思ってしまいます。無事に金塊を回収してハッピーエンドでいいのではないか。なぜ自分はこんないい人たちがサメに喰われるだなんて悲しい映画を好き好んで観ているのか分からなくなってくる。しかし、そう思わせてくれた時点でこのサメ映画の勝ちと言える。どちらかといえばサメよりはマフィアの方が脅威ではあるしクライマックスは銃撃戦ですが、おいしいところはちゃんとサメが持って行ってくれるので総合的にはかなり満足度の高いサメ映画でした。





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