「異端者の家」 感想 かつて真実だった何かの残響

概要

原題:Heretic

製作:2024年アメリカ

配給:ハピネットファントムスタジオ

監督:スコット・ベック/ブライアン・ウッズ

出演:ヒュー・グラント/ソフィー・サッチャー/クロエ・イースト


モルモン教シスターのパクストンとバーンズは、布教活動のため森の中にある一軒家を訪れた。そこにいた男リードはとても愛想が良く、雨が降っていたこともあり家の中で話をすることに。だが、次第にリードは宗教を否定するかのような持論を展開。不穏に感じた2人はこっそり帰ろうとするが、すでにドアはロックされ家の中に閉じ込められていた…


予告編

感想



宗教勧誘にやってきた宣教師たちが、宗教を否定する偏屈ジジイにひどい目に遭わされる系サイコスリラー。

U-NEXT 770Pで鑑賞。



たまには真面目な映画も観た方がいいかな…と思ってレンタルしてみました。


が、よくみると宗教は宗教でもモルモン教だった。何でそんなマニアックな宗教を出してくるのか。一応名前だけは聞いたことあるけど、今まで興味を持ったことが全然ないのでモルモン様が何なのかまるで知らない。



とはいえ私が信仰する「スパモン教」も似たような名前ではあります。そこから想像するとおそらく「モルモット・モンスター」の略的な毛むくじゃらの小動物のようなご神体を信奉するマイナー宗教ではないか?と思いながらググってみると、全然そんなことはなくキリスト教のマイナーな一派とのことでした。今では「モルモン教という名前を使うな」と教会の指導部が言っているようなので、結局のところキリスト教と認識すべきなのか? とはいえ本編冒頭でもクソガキ共に思いっきりイタズラされる程度には異端視されている教派らしい。



そんなことも知らない人間が見るべき映画ではないような気はします。

…が、770Pも出してしまったので一応がんばって最後まで観ました。



ところで宗教勧誘ってこの世で最も迷惑な勧誘の一つですよね。新聞とか浄水器は買わされてもたかが知れてますが、宗教は人生が狂いかねない。コロナ禍以降はあらゆる訪問勧誘がなくなったので良かったですが、昔はしょっちゅうでした。きっぱり断らないとしつこくまとわりつかれるし、かと言って変に恨みを買っても怖いので断り方の匙加減が面倒で、実に鬱陶しかったものです。



なので、本作の悪役・リードにはそんな宗教の矛盾点を突きまくってクサレ宣教師共を痛快に論破してくれるのではないかと変な期待をしていました。



前半は確かにそういうノリではあります。が、モルモン教がかつて一夫多妻制を採用していたとか、そんなことは知らないのでちょっと楽しみにくい。やはり前提となる知識がないと厳しい。モルモン教徒が観たら怖いんだろうなと思うし、それ以外のキリスト教徒が観たら気持ちいいのかもしれない。



リードは演じるヒュー・グラントの人相と愛想が良すぎるせいか全然怖いと感じません。雨漏りをししおどしで受けてるところなんかは馬鹿っぽくてお茶目ですらある。とはいえ若くて非力な女性にとっては上から目線の変なオッサンというだけでも脅威に感じられてしまう。リードと宣教師側に宗教的イデオロギーだけでなく男女格差を持たせてあるのはテーマがブレているような気がしてどうも微妙に感じてしまいました。





「異端者の家」(Amazon Prime Video)



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