「ハートアイズ」 感想 バレンタイン中止のお知らせ

概要

原題:Heart Eyes

製作:2025年アメリカ

配信:パラマウント・ピクチャーズ

監督:ジョシュ・ルーベン

出演:オリヴィア・ホルト/メイソン・グッディング/ジョーダナ・ブリュースター/デヴォン・サワ


今年もバレンタインを迎え、アメリカ中が厳戒態勢を敷いていた。過去2年連続でバレンタインデーにカップルばかり狙う殺人鬼"ハートアイズ"が暴れていたからである。それをネタにした広告企画を作ろうとしたアリーはクビにされかけるが、代打で呼ばれた男ジェイと組んで仕事をやり直すことに。だがハートアイズにカップルと誤認され、狙われる羽目になってしまう。


予告編

感想



目がハート型に光る殺人鬼ハートアイズがバレンタインデーの夜にカップル限定で襲撃してくるスプラッターラブコメディ。



殺人鬼のビジュアルはインパクト抜群でホラーファンとしては観ずにはいられないし、ゴア描写も結構張り切ってる。が、殺人鬼の正体が全然面白くなさすぎて全体的にイマイチな印象になってしまいました。



バレンタインデーにカップルを狙う殺人鬼だなんて犯人はよっぽど非モテをこじらせて嫉妬に狂ったサイコ野郎なんだろうな…と安易な想像をしてしまいがちなので、そこはあえて裏切ってくるかな?とは思ってましたが、そういう裏切り方は期待してなかった。それでいて犯人自体は出てきた瞬間に分かってしまう。



あれはひねくれ過ぎた結果なのか、逆に安易にし過ぎたのか、それとも何かのパロディなのか。いずれにしても結局動機は面白味ゼロ。あれならアンチ恋愛モンスターの方がましだった。アメリカ中を厳戒態勢に陥れた殺人鬼のわりには小物すぎて今まで捕まらなかった理由も分かりません。



カップルが次々と惨殺されていく中、本当はカップルじゃないのに誤解されて狙われる羽目になったアリーとジェイが殺人鬼に立ち向かうことで絆を深め本当のカップルになっていく…という流れは良いと思うんですよね。ハートアイズが心からカップルを妬み憎んでいるサイコ野郎であれば、自分のせいで成立したカップルに倒されるなんてベタだけどそれなりにイイ感じの構成になったんじゃないでしょうか。



でも犯人がアレだと別にそんなのどうでもいい感じだし、アリーとジェイは別にほっといてもいずれ恋愛関係になってたように見えたし、カップルを狙うという設定自体が死んでたような気がしてならない。そこが活きてないとハートの目もただ見た目バカっぽいだけになっちゃうので、面白いとは言えないですね。嫉妬力が高まるほど目が激しく点滅するとか、そういう方向のバカらしさが観たかったかな。



ただ、それは私が変な殺人鬼にばかり着目するゴリゴリの異常サイコキラー愛者だからそう思うのであって、あくまで本作はライトな恋愛映画にスプラッターホラーのエッセンスをまぶしたもの、男女の愛の障害としてそれっぽい殺人鬼をテキトーに配しただけである…と受け取って鑑賞できる人であれば楽しめるのかなとは思いました。私にとってはいわゆる「Not For Me」ってやつでしたかね。




「ハートアイズ」(Amazon Prime Video)


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