「コールド・ウォレット 仮想通貨の罠」 感想 草コインにレバをかけるな

概要

原題:Cold Wallet

製作:2024年アメリカ

発売:プルーク

監督:カッター・ホディエルネ

出演:ラウル・カスティーヨ/メロニー・ディアス/トニー・カヴァレロ/ジョシュ・ブレナー


仮想通貨のチューリップに投資し、大儲けしていたビリーとドム。だが、ある日突然大暴落。全財産を失うどころか多額の借金まで背負ってしまう。それはただの大暴落ではなく、チューリップを開発した男の詐欺、陰謀だった。ネットの仲間と共に開発者の自宅を突き止めたビリーたちはそこへ押し入ってカネを取り戻そうとするが…


予告編

感想



「少しだけ事実に基づく」

仮想通貨で詐欺に遭った男女3人が首謀者から金を取り戻すためにジタバタする金融系サスペンス映画。スティーブン・ソダーバーグ監修…らしい。



本作、主人公のビリーが初っ端から恐ろしいほどに馬鹿丸出しで眉をひそめてしまいます。


「俺はポッドキャストとかユーチューブで投資を学んだんだ!チューリップ・コインはボロ儲けできるぞ!家だって買える!」


と酒場で騒ぎまくり、何も知らない親友ドムに10倍のマージン取引で買わせてしまう。


「10倍だ、押せ。長期投資だ」


こいつはやべえ。でも現実にこういう人いるんだろうなあ。しかし信用取引って事前に何か面倒な手続きがあったような、なかったような。やろうとしたことないから知らんけど。

それが後々大暴落した時に、


「なんで借金になってるんだよ!!?」


とドム。

騙される方にも非があるとは言いたくないけど、さすがにこいつもアホすぎる。

さらに後々首謀者と対面した時になっても、


「ゼロになるなら分かるが、何で俺は借金になってるんだ?」


って訊ねているのはちょっと笑いました。

まだ分かってなかったんか。

いい奴なんですけどね…



ビリーはチューリップコインが上がりまくりで調子に乗り、娘にPS5をプレゼントしてしまう。そんなもの買うお金があったら家のローン払いなさいよ!と元嫁に激怒され、


「うるせえ!俺はこのチューリップコインで稼ぎまくっているんだよ!」


とスマホ画面を見せつける。

その時まさに暴落しまくっている最中なのはやっぱり笑うところなんですかね。その結果、コイツも借金を背負う羽目になってるので、10倍レバでやっていたらしい。心からチューリップ・コインのことを信じていたんですね。何の信用も実態もない草コインにそこまで全力で信用買いできる気持ちが分かりません。まあ、私はビットコインすら信じられずほんのちょっとしか持っていない負け組なので、時にはビリーのような人が本当にボロ儲けしている場合もあるんでしょうが…



で、その大暴落はどうやらチューリップ・コインの開発者兼CEOが仕組んだ罠だったらしい。



という金融サスペンス展開になっていくわけですが、主人公ふたりがここまで馬鹿だとあんまり複雑な話にはならないんじゃないかな…と思ったら案の定でした。ネットの知り合いエヴァを仲間に加えて開発者の自宅を突き止めてもらい、そこに押し入って開発者を拘束。おらーカネ返せや!と締め上げる。ビリーとドムがアマレスラーなので文字通り締め上げてます。脳筋すぎる。どうでもいいけどサスペンス映画の主人公チームがアマレス選手って地味に珍しいですよね。私は初めて見ました。



まあそんな感じなのでリアリティはともかく、オチは意外と後味が良くて何も考えずに眺める分にはわりと楽しめました。



「コールド・ウォレット 仮想通貨の罠」(Amazon)



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