概要
原題:THE LAST BREATH
製作:2024年イギリス・カナダ・スウェーデン・ベルギー・マルタ・フィンランド
発売:インターフィルム
監督:ヨアヒム・ヘデン
出演:キム・スピアマン/ジャック・パー/アレクサンダー・アーノルド/エリン・マレン/アーロ・カーター/ジュリアン・サンズ
第二次世界大戦中に沈没した幻の軍艦シャーロットを長年の捜索の末、ついに発見したリヴァイとノア。喜びに沸いたその直後、ノアの友人たちが遊びにやってくる。ノアはリヴァイの借金返済のため、金持ちの友人から5万ドルを受け取る約束で彼らをシャーロットへと案内する。だが、そこには獰猛な人喰いザメがウヨウヨしていた。
予告編
感想
ゴールデンウィークにサメ映画が3本もリリース!これは実質的にゴールデンサメ劇場2025と言っても過言ではない。ということで2本目は6か国合作の至極真面目なこの作品です。
幻の沈没船を探索していたら、そこには人喰いザメが!
という、この業界ではたまにあるパターンのやつ。他の低予算サメ映画に比べると撮影するのが異常に大変そうなわりにはあんまり面白くならない場合が多いんですよね。水中だと誰が誰だか分かりづらいし、人間側が不利すぎて動きのある画が撮りにくい。あと、水中メインだとどうしてもシリアスに傾いてしまうのもあります。大体水中に出るのは普通のサメですしね。今どきノーマルなサメが海に出てくる低予算映画で良作を撮るのがどれほど難しいことか。
とはいえ、そんな不利な条件の中で本作はそこそこ健闘している方ではないかと思います。少なくともサメ映画における「沈没船モノ」というサブジャンルの中ではおそらくベスト級の出来栄え。入り組んだ軍艦の中で複数のサメとの攻防がきちんとスリリングに描けている。サメ映画とは思えないほど真っ当な内容です。
まあ、普通すぎて特に変わった見所はないんですけどね。しいていえば、最初にサメに噛まれた若者を治療するために水中で手術を試みるシーンだけは本作ならではか。使用期限が1945年で切れてる麻酔薬を注射するくだりが一番インパクトがありました。
あとは何気にジュリアン・サンズの遺作だということですね。沈没船の探索には加わらず、海上で編み物をしながら帰りを待つ役なので出番は少ないんですが、若者たちがサメに襲われていることを知り「編み物の時間は終わりだ」と宣言して助けに向かう姿はかっこよかったです。死に様はめちゃくちゃ無常感あったけど…
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