「スプラッター・セブン 血塗られた大学」 感想 神と悪魔と葉っぱと

概要

原題:SEVEN

製作:2019年イギリス

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:リチャード・コールトン

出演:ディーン・ケイ/ロバート・ワイルド/アマル・アダティア


60年前、7人の悪魔崇拝者がいけにえの儀式を行っていた。現代、その跡地に建てられた大学に学生たちが深夜に集まることに。彼らがクスリや酒で羽目を外していると、用務員にカギをかけられ閉じ込められてしまう。そして彼らが偶然にも7人だったことから、次第に妙な現象が起き始める。


予告編

感想



言うほどスプラッってなかったイギリス製のオカルト謎ホラー映画。

スプラッターセブンとはに7人がエグイ感じでブチ殺されるという意味ではなかったのか。

原題は単にSEVEN。それはそれでマズイ気はする。邦題で盛るにしてもオカルティックセブンとかマリファナットセブンとかの方が良かったかな。

299円で1時間19分。



肩透かし邦題はさておき、イギリスのアマプラ配信スルー映画は大抵ろくでもない代物ばかりというイメージがあり、その中ではわりとまともなクオリティという印象。



しかし冒頭の悪魔崇拝儀式はいいとしてその後45分くらいは大したことは何も起きず、ずっと深夜の大学構内で若者6人組がハッパ吸ったりイチャイチャしているばかり。講義室?に謎のデカいベッドを用意しているという妙なネタはあるものの。



こういう時、薄れゆく意識の中で「謎映画の前半は倍速で観てもいいかな…」などと考えてしまいます。あいにくアマプラには倍速再生機能は無いんですがね。かといって倍速再生できるU-NEXTに同じ映画があっても、なぜかアマプラより100円高いっていう。実にうまい商売ですな。



ただ、後半でメンバーのひとりに悪魔崇拝者の霊か何かが乗り移って暴れ出してからはそう悪くないです。スプラッターは至極あっさり済まされるものの、主人公ハリーたちはすぐに大学から脱出して警察を呼んで保護されるという少し定型を外した流れに。さらにハリーが警察署でシャワーを浴び、なぜか意味もなくケツをアップで晒してくるなど予測しにくい展開が続くのです。これはちょっと珍しい構成(だから何ということもありませんが)



で、事件がラリ公の幻覚か狂言ではないかと疑う警察と一緒に再度大学へ戻ることに。そして案の定そこには事件の痕跡が何もない…そんなバカな!?



…という、いまいち好みではない幻覚オチに持って行かれそうになり、別の意味でハラハラさせられるのですが、そこは何とか「善行を積めば神が救って下さる」的な宗教的メッセージでケムに巻いてくれました。どっちにしても夢落ちに近いけども。



そこでイエス様と思しき聖なる雰囲気を纏った中年男性が現れるのですが、その場面の神々しさとは裏腹にハリーの顔がアスペクト比を間違っているとしか思えない異様な細長さになります。リアルウッディみたいで何かちょっとコワイというかあれはもう陸奥宗光と比較してもいい勝負ができるのではないか。今回はそんな風に思いました。




「スプラッター・セブン 血塗られた大学」(Amazon Prime Video)


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