「ヴィダル・ザ・ヴァンパイア」 感想 これが神の導きか

概要

製作:2017年ノルウェー

原題:VampyrVidar

配信:Green Light

監督:トーマス・ベルク/フレデリク・ヴァルドラント

出演:トーマス・ベルク/ブリッグ・スクレティングラント/ディラン・シェッティーナ


農夫のヴィダルは、33歳になっても口うるさい母親と暮らし日々の仕事に追われる生活に心底ウンザリしていた。そんな彼の嘆きがイエス・キリストに届き、より享楽的な人生を送りたいという願いが叶えられることになる。ヴィダルが吸血鬼と化すことによって…


予告編

感想



「巫女のうた」を激推ししていたやべー映画マニアの阿部雄大先生ご推薦の謎映画。





絶対に共有すべき作品とは…!?

今までそこまで言われたことないよ。



一体どれほどアレな映画なのか。

不安を抱えながらも見てみました。

こ、これは…

「巫女のうた」と似た特徴が!?



というのは、登場人物の音声だけがなぜか異様に小さいのです。背景の鳥の鳴き声、BGMや挿入歌などは普通に聞こえるのに、なぜかセリフだけが本来の2~3%くらいのボリュームしかない。録音をミスっているのか、音量調整をミスっているのか…それともアマプラだけ音声ファイルが壊れてしまったのか。謎です。



まあでも、この手のミスは稀にあることはある。何年か前に観た「クワイエット・ボーイ」なる作品では吹替えの音声が丸ごと全く関係ない別作品の音声になっていたこともありましたからね。あれに比べたら音声が小さすぎるくらいまだましなミスと言えるでしょう。違和感はありまくりだし役者の熱演も台無しだけど、字幕読めば一応内容は分かりますから。



ただ、ノルウェー本国の人が本作を字幕なしで見てどう思ったのかは気になりますね。我々が「巫女のうた」を見た時と同じような感覚だったんでしょうか?



それで内容の方ですが、33歳にもなって口うるさい母親と同居しながら農作業に追われる生活に嫌気が刺した男ヴィダルがイエス・キリストによって吸血鬼に変えられ、それでも何の解決にもならずジタバタする様を描く下品なコメディとなっています。



イッテンバッハの「新ゾンビ」並みにキリスト教徒が見たらブチ切れそうな勢いでイエス様が冒涜的に描かれており、その点は笑えます。しかし吸血鬼になってもただの挙動不審な中年男でしかないヴィダルの方はどうも…何だかああいう人は実際のところその辺にたくさんいるんじゃないかという気もしないでもない。



「仕事なんてうんざりする

うんざりする時間は重苦しいもんだな

重苦しい時間 それこそ俺の時間さ

だから仕事なんてしないほうがいい

でも自由な時間なんてないほうがいい」



私としては、親と同居して農作業に勤しむ生活の何がそんなにイヤなのか分からないんですけどね。それなりの街でも会社員をやっている方が重苦しい時間を過ごす羽目になっている気がするし、仕事なんてしたくないのに変わりはないのです。ただ、自由は欲しい。自由が一番欲しい。




「ヴィダル・ザ・ヴァンパイア」(Amazon Prime Video)


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