「ザ・メガロドン 大怪獣覚醒」 感想 アサイラム覚醒

概要

原題:MEGALODON: THE FRENZY

製作:2023年アメリカ

発売:ニューセレクト

監督:ブレンダン・ペトリッツォ

出演:エリック・ロバーツ/キャロライン・ウィリアムス/ジェシカ・チャンセラー


カリフォルニアを襲撃した、超巨大古代鮫《メガロドン》。米戦艦キング号は苦戦の末この怪物を撃退したかと思えたが、ヤツらは生きていた。しかも今度は群れで、アメリカ東海岸に出現。キング号のシャープ中佐は、再びモンスターとの激しい戦いを開始する。その頃、海底火山を資源開発する海上基地も、メガロドンの襲撃で危機に陥っていた。そして恐るべきことに、ヤツらは海底で繁殖を開始している。クラーク博士は、火山エネルギーを利用してメガロドンを殲滅する作戦に挑むが……。

(↑ニューセレクトHPより)

予告編

感想




「MEG2」に便乗してリリースされた、アサイラムの「ザ・メガロドン」シリーズ第三弾。

一応全部観てますが前作は薄味すぎて何も覚えてなく、かろうじて1作目のラストでマイケル・マドセンがちょっとかっこいい死に方をしたのが印象に残っているくらいのシリーズです。



しかし、今回はアサイラムにしては相当頑張っている方でした。

2023年のアサイラム・オブ・ザ・イヤーは本作か「マルチバース・アルマゲドン」のどちらかで決まりではないかと考えられます。



先にダメなところを言っておきますと、軍人と科学者による虚無的な議論の応酬をダラダラ垂れ流すのはいつも通り右の耳から左の耳を通過していくだけで眠たい。しかも本編の大部分がそれ。この悪癖はもはやマニュアル化されているとしか思えません。たまには軍人・科学者・政治家以外を主人公にしてほしい。



それであとは良いところですが、本作にはまずちゃんと潜水艇で深海探査している場面があり、そこから現れたメガロドンの群れに襲われるという流れが「MEG2」を真面目にパクろうとしていて好印象。大体アサイラムのパクリモックバスターは予告編とジャケだけ偽装して客を釣り上げ、中身は似ても似つかない産業汚染廃棄物、良くても極貧省エネハリボテ劇場というのが通常営業ですから。



それなのにメガロドンによる大迫力捕食シーンも大量に用意されているから驚きです。単にサメの出番が多いというだけでなく、もしかしたら捕食した人間の数も「MEG2」よりも上かもしれません。見せ方も悪くない。正直、アサイラムもたまには顧客を楽しませようと少しくらいは努力することもあるんだなあ…と感心してしまいました。



そんな「MEG2」にも負けない巨大メガロドン軍団を迎え撃つのは我らがエリック・ロバーツ艦長。珍しく悪辣なビジネスマンでも悪辣な政治家でもない至極真っ当な軍人役。まあ、軍艦が巨大なわりには部下が2~3人しか見当たらない零細企業的な物悲しさは漂っていますが。それでもラストでの対決はエリック・ロバーツとしては近年稀に見るほど熱い名場面となっていてまた驚きです。まあ何だかんだいってクソサメ映画には違いないものの、その中では上位クラスと言える立派なクソサメ映画でした。



「ザ・メガロドン 怪獣大覚醒」(Amazon Prime Video)


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