「ロスト・マインド」 感想 アンタの子はアタシの子

概要

原題:A Broken Mother

製作:2022年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ジョン・マーロウスキー

出演:アリシア・リー・ウィリス/モーガン・ブラッドリー/コナー・フロイド


画家のハリーは心臓移植を受けた娘エバの世話をしながら絵を描いていた。しかしハリーには育児不安からのパラノイアの気があり、夫の仕事が忙しいのもあって乳母の他に姑の手も借りることに。だが、姑が出入りするようになってからなぜか怪しい男の影がチラつくようになる。奴は姑の別れた恋人なのか?


予告編

感想



みんな大好きジョン・マーロウスキー監督の新作テレビ映画。

ReelOne entertainment印。



まあ、今回はまあまあそれなりに楽しめるまあ普通のサスペンス劇場でした。

マーロウスキー監督にはもっと常軌を逸した珍作を求めているのですが、なかなかそうもいかないようです。



心臓移植を受けた娘エバの世話でノイローゼ気味の画家が、強気な姑の出現から色々大変なことになっていく話。嫁と姑のドロドロ心理戦モノはいつ見ても何とも言えない居心地の悪さを覚えますが、日米問わず主婦層には需要のあるネタなんですかね。



また、この手のサスペンス劇場ではお子様の奪い合いになることが異常に多いのも気になります。あの手この手で無理やり理由付けしては「この子はあんたのじゃなくて私の子なの!!」と主張するサイコウーマンのパターンにやたらバリエーションがあってある意味感心はしますけれども。「嫁vs姑」と並んで人気のある定食なんでしょうね。



そういうことなのであらすじを見ただけでもサスペンス的には何となく想像がつくと思うし、マーロウスキー節も今回は大人しく鳴りを潜めているので、手堅いながらも特にこれといった見どころはございません。



しいて言うなら、ハリーの夫がジョギングしている時に犯人の運転する日産車にはねられるシーンですかね。映像的には明らかに当たってなくて普通に横っ飛びして避けてるようにしか見えなかったのですが、なぜか避けた後失神してしまうハリー夫。まあ着地の衝撃で気絶したんかな?とか思ってたら、その後彼が目を覚ますことはありませんでした。自分のジャンプでノックアウトとかまるでスペランカーじゃないか。



…いや、そうではなく何かどうも普通にはねられたことになっているようです。いくらテレビ映画とはいえ、あんな雑でテケトーな描写でOKにしてしまっていいのか。そんなら無理して車なんて使わないでゴルフクラブかなんかで殴れば良かったのでは? と思ってしまいます。マーロウスキー監督の「細けえことはいいんだよ」精神がこの上なく伝わってくる珍場面でした。逆にそれしかないのがマーロウスキージャンキーとしては物足りない。もっとそういうやっつけ珍場面がふんだんに散りばめられていれば「キラー・コントラクター」くらいのインパクトが出せたんじゃないかなと思うんですがねえ。




「ロスト・マインド」(Amazon Prime Video)



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