「ベアリー 悪熊(あくま)のぬいぐるみ」 感想 巨 大 熊 直 撃

概要

原題:BEARRY

製作:2021年アメリカ

配信:コンマビジョン

監督:アレクサンダー・T・ウォン

出演:サラ・フレンチ/トーマス・ヘイリー/フェリッサ・ローズ


離婚して落ち込んでいるクロエのため、友人のサムは巨大なクマのぬいぐるみ”ベアリー”を贈る。ベアリーのおかげで元気になったクロエは新しいパートナーを得ようと婚活に励むが、その相手やクロエの上司が次々に惨殺される事件が起こってしまう。


予告編

感想



珍しくコンマビジョンが何の販促活動もせずにこっそり配信していた新作ホラーコメディ。あのコンマビジョンがDVDすら出さずに配信スルーで済ますということは、少なくとも「デストイレ」レベルのZ級であることは疑う余地がない。いや、「デストイレ」シリーズは盛んにTwitterで配信開始をアピールしていました。本作はそれさえしていないし日本版の予告編が出るのも遅かった。もしかしてこれは人目についてはいけない犯罪レベルの途方もなくヒドいクオリティなのではないか?



…などということをジャケ絵を見ながら想像していたのですが、実際のところこれはめちゃくちゃ面白かったです。

これは普通にDVDがほしい。

何ならTシャツとかもほしい!

どうして出してくれないんですか??



内容は、主人公クロエが離婚して傷心のところに友人からプレゼントされた巨大クマのぬいぐるみ・ベアリーが自我を持って動き出してぶっ殺死というもの。



本作の素晴らしいところはベアリーが動き出す前の段階から手抜きが無く既に面白いことです。と言っても私はデストイレやポロニアクラスのブツを想定して鑑賞していたのでアレですが、クロエのエキセントリックな友人サラや、彼女が次々紹介してくれるクソ野郎共からテンポよく繰り出される奇行が笑えます。こういった超低予算映画は虚無的な時間稼ぎになりがちなのでしっかりネタが詰まっているだけでも実にありがたく、賞賛したくなります。



後半でベアリーが暴れだしてからはさらにテンションが高まります。クロエが男と付き合おうとすると嫉妬に狂って地団太を踏みまくるベアリー、逃げるクロエたちを走って追っかけるベアリーがあざとくもかわいい。クロマティのバンチョーちゃんを思い出しました。まああの漫画は彼が出てきてから明らかに投げやりになったんで例えとしては良くないかもですが。



ただ、殺害シーンは意図的とも思えるほどの超絶手抜きぶり。あんなにもやっつけな血しぶきはポロニアやブレット・ケリー作品でもそうは観られません。おもちゃのチェーンソーを持ったベアリーがクソ野郎に突撃する絵面があまりにも微笑ましすぎるのでグロはわざと排除したんでしょうか。まあ、ぬいぐるみに血が付いてしまうと拭いても取れないし、あんなデカイのは洗濯機にも入らないから仕方ないのか。実際のところアレはどうやって清潔さを維持すればいいんですかね。クリーニングに出すしかないのかな。



ベアリーの動く理由は全く説明されず、謎の怪しい女がつぶやく「MKウルトラ計画」なる電波ワードから想像を膨らませるしかありませんが、そんな細かいことを気にする人が観ていい映画ではないので製作者は気にせずどんどん続編を作ってほしいなと思いました。



そういえば著作権フリーとなった「くまのプーさん」を主役にしたホラー映画が世間の一部で話題になっていますが、予告編を見るとitn distributionの禍々しいロゴが確認できるので、本作の後に観ても何か気の毒な気分になってしまいそうな予感がします。ま、それはそれで楽しみなことには違いありませんが。最近アマプラにitnこないからなあ…



「ベアリー 悪熊(あくま)のぬいぐるみ」(Amazon Prime Video)


コメント