「ブラック・シャドウ 囚われ家族」 感想 黒いアバター

概要

原題:THE ATONING

製作:2017年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:マイケル・ウィリアムズ

出演:ヴァージニア・ニューコム/マイケル・ラクーア/キャノン・ボザルジュ


心霊現象が多発する家に住んでいた一家は、ある時から家に閉じ込められて外へ出られなくなってしまう。それでも母親は幼い息子サムには何事もなかったかのようにふるまおうとするが、銃を持った男や謎の黒い影が襲ってくるようになる。



予告編

感想



アマプラ配信の2017年製テレビ映画。



舞台がボロっちい一軒家の中だけで展開し、主要登場人物もわずか3名と相当安いテレビ映画。そのわりには意外とクオリティ高めで楽しめる方でした。ただ、劇伴も何もないのはさすがにちょっと寂しすぎるか。



内容は、心霊現象が多発する自宅から出られなくなった家族が謎の黒い影に襲われるというもの。黒い影といいつつ全身黒塗りの人間が演じているわけですが、なんだかアバターっぽいビジュアルに見えてしまって笑いました。もし私がプライムウェーブとかに勤めていてこの映画を売れと言われたら「ブラック・アバター:ウェイ・オブ・アビス」みたいなパチモン邦題でレンタルDVDを出してたかもしれません。さすがに怒られるか?



宣伝では「衝撃の結末」と煽っている通りちょっとしたツイストがあるのですが、ホラー映画においては昔から使われているネタなのでそれほどの驚きはありません。まあ状況自体はそこそこユニークな方だと思うし、実際は結末まで引っ張るのではなく中盤で明かされるので、作り手もそれは分かってやってると思いますが。



本作はこの状況を解決するためにはどうすればいいのか、この家族は過去に一体何があってこんな状況に陥ってしまったのか、その辺の謎で視聴者を引き付けようとしているように見えます。確かにその点興味は惹かれるのですが、もともと90分もかけて語るほどの話でもないためテンポがかなり悪くなっているのが難点です。45分くらいのテレビドラマがちょうど良かった感。



劇伴がなくて寂しいと言いましたが、内容的にも非常に物悲しくて寂寥感が漂うお話なのでそこも狙ってそうしているのかもしれません。それに加え、黒いアバターのビジュアル以外は特に面白がれるポイントも印象に残るシーンもない。かようにそっけなく淡白な味わいではあるものの、決して不味いわけではない。そんな微妙な感じのテレビ映画でした。



「ブラック・シャドウ 囚われ家族」(Amazon Prime Video)



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