「炎の少女チャーリー(2022)」 感想 不完全燃焼気味

概要

原題:FIRESTARTER

製作:2022アメリカ

発売:NBC ユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社

監督:キース・トーマス

出演:ザック・エフロン/ライアン・キーラ・アームストロング/シドニー・レモン/マイケル・グレイアイズ/グロリア・ルーベン


新薬「ロトシックス」の治験で超能力を得た両親から生まれた少女チャーリーは、強力なパイロキネシスを使うことが出来た。だがそれを制御することはできず、いじめっ子の嫌がらせを切っ掛けに暴走してしまう。彼女は政府の秘密機関に追われ、父親と共に逃亡することとなる。


予告編

感想




1984年の同名映画のリブート作。

昔、原作小説の「ファイアスターター」は読んだんですが、映画版はこのあまりにもダサイ邦題がイヤで観なかったんですよね。84年版は同じ年に公開された「ストリート・オブ・ファイヤー」との混同を避けるためにこうなったとはいうものの、2022年の今それを気にする必要は何一つないはずなのにどうしてこのダサすぎる邦題を踏襲してしまったのか。何だかスポ根ものにも見えるじゃないですか。まあ昔ほど原作へのこだわりはなくなったし細かい内容も覚えてないんで今回は観ましたけども。



新薬の治験で超能力者になった両親から生まれた少女チャーリーは強力な自然発火能力を持っており、それを狙った政府の機関に追われるという話。女の子が火を噴きながら逃げるってことで何となく派手でバカバカしい映画を想像してしまいますが、一貫して非常に地味で暗い雰囲気です。



この2022年版は原作小説をあっさりなぞっただけのような内容で新しく付け加えられたものはほとんどなく、今見ると相当に古臭く感じます。前半の陰鬱で緊迫感のある空気は好きですが、中盤に農夫の家へ逃げ込むあたりからダレてくる印象は否めない。



クライマックスのバトルはそこそこですが、怒ったチャーリーが叫んで炎を噴き出す映像が微妙に安っぽくてあんまり熱くなれません。敵側の描写もあっさりしすぎていて、燃やされても大したカタルシスもないし。ラストはたぶん本作オリジナルだと思いますが、なんでああなるのかよく分かりませんでした。悲しみを抱えた超能力者同士が共感したってことですかね。それにしても母親の仇だけどそれで良かったのか…。前半はそこそこ楽しめましたが、全体的には色々と不完全燃焼気味で微妙な後味が残りました。



ただ、ジョン・カーペンター(と息子)による音楽は大変良かったです。これは劇場の音響で聴きたかったな。本当は劇場へ観に行くつもりだったのに、スガイディノスが潰れた影響で北海道では上映中止になっちゃったんですよね。



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