「サメストーカー ビギニング」 感想 サメ使わない系ストーカー

概要

原題:STALKER'S PREY

製作:2017年アメリカ

発売:メニーウェル

監督:コリン・ゼイズ

出演:メイソン・ダイ/サクソン・シャービノ


誕生日に彼氏とヨットで遊んでいたローラは、沖でサメに襲われてしまう。彼氏はサメに喰われてしまうが、ローラは近くに居合わせた青年ブルースに命を救われる。ブルースは政治家の息子というのもあって地元メディアにヒーローに祭り上げられ、さらに彼氏を失って凹んでいるローラにアプローチを仕掛けていく。だが、実はブルースは最凶のサメ使いストーカーだった…(でもないが)


予告編

感想





なぜか日本での発売順が前後してプリクエル扱いにされた「サメストーカー」の前作にしてシリーズ1作目。



本作の最凶サメ使いストーカー(?)であるブルースの名前は「サメストーカー」でも2代目最凶サメ使いストーカー・ダニエルによって断片的に語られていました。しかしその時は当然ながら何の話だかよく分からず、本作を観ることによってダニエルとブルースとの繋がりが鮮明になるのではと考えていました。が、肝心の「サメストーカー」がけっこう薄味な普通のサスペンスサメスリラーだったため、どんな話をしてたか細部を忘れてしまいました。まあそんな大した繋がりでもないんだろうけど。



それはさておき、本作は「サメストーカー」よりもさらにサメの出番が少なく存在感が希薄です。というか本作のブルースは「最凶サメ使い」ストーカーですらなく、ただのボンボンストーカー。サメ使ってないんすよ。思わせぶりなジャケ絵に「初めての捕食ー」なんて官能的な煽り文句とは裏腹にサメなんて最初と最後に1分ずつぐらいちょろっと出るだけ。やっぱり単なる普通のサスペンスサメスリラーとしか言いようがありません。まあ、Nu Imageが幅を利かせていた頃のサメ映画を思えば出演時間2分&キルカウント2はそれなりに多い方だとも言えますが。



ただ、これも「サメストーカー」同様、ただのストーカーサスペンスのおまけにサメがついただけと思えばそれなりに出来は悪くないんですよね。たぶんテレビ映画だと思われるのでやっぱり殺人シーンなどの刺激的な映像はろくすっぽないものの、作りは実に手堅く丁寧。ReelOneのテレビ映画よりよっぽど面白いです。



政治家の息子であり、主人公ローラをサメから助けたという有利な立場と恩を最大限に生かしてローラにつきまといまくるブルースはかなり気持ちが悪い。ブルースの外面が良すぎるために周囲に助けを求めてもなかなか理解されないローラの苦闘は観ていてストレスを感じるので、この手の低予算サスペンスとしては充分成功しているんではないかと思いました。とはいえ日ごろから奇天烈に変異しまくった異常サメ映画にどっぷり漬かってる日本の異常サメ映画愛者には非常に物足りなく映るような気はします。



追記


この翌日に「サメストーカー リターンズ」を観て気づいたんですが、ブルースとダニエルは同一人物でした。ということは最後にブルースは食われたわけでもなく、本作におけるサメのキルカウントは1でしたね。どうでもいいことですが、ここに訂正しておきます。



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