「海上48hours 悪夢のバカンス」 感想 久々の劇場版サメ映画

概要

原題:SHARK BAIT

製作:2022年イギリス

配給:ギャガ

監督:ジェームズ・ナン

出演:ホリー・アール/ジャック・トゥルーマン/キャサリン・ハネイ/マラキ・プラー=ラッチマン


春休みにメキシコのビーチでハメを外しまくっていた大学生5人組。怖いものなしの彼らは盗んだ水上バイクで走り出す。だが、そこは狂暴なホホジロザメの巣窟だった…


予告編

感想





サメが飛んだりロボ化したりせず、普通に海に出て怖がらせてくれる正統派のサメ映画。

しかも久々の全国ロードショー。

我が北海道ではスガイディノスが経営難に陥った影響で、危うく釧路のイオンシネマでしか観られない状況になりそうだったのですが、何とか無事に札幌のサツゲキでも上映していただけました。さすがにサメ映画のためにうちから釧路まで片道350kmの道のりを走るのはしんどすぎるから助かった…



で、内容ですが、途方もなくバカな若者グループが海でサメに一人ずつ喰われていく…というもので、実にフツーというか定番納涼スラッシャー映画の殺人鬼役をそのままサメにやらせたようなノリ。いつもは笑いと愛嬌を振りまく面白生物であるサメも劇場版では本気を出してちゃんと怖がらせてくれます。ちょっとジャンプスケア的演出が多くてずるいけど。



そういうスラッシャーでよくいるバカな若者グループですが、これが本当に驚くほど途方もなくバカすぎます。「ジョーズ・リターン」の若者たちに匹敵するかもしれないほどのバカさ加減。酒が飲める3歳児の集団と言っても過言ではないほど矢継ぎ早にバカな行動をとりまくり、どいつもこいつもサメのお口へダイブしたいかのように一直線に死へと向かって疾走していく。ノリで沖に出といて泳げない奴も混じってるし、この人たちサメがいなくても普通に沖から帰れなくて全滅してたんじゃないかと思います。



一応主人公のナットだけはそれなりにまともではあるもののブレーキ役にまではなれず、やっぱり盗んだ水上バイクで走り出してしまう。アホな度胸試しで水上バイクが壊れ、サメの海域で漂う羽目に。状況としては「ロスト・バケーション」「赤い珊瑚礁」「オープンウォーター」あたりと大して変わりませんが。ただナット以外のメンバーは本当に頭が悪すぎてすぐ海水を飲もうとするし、極限状況なのに浮気が発覚して大喧嘩したりするわでそれらの名作よりはゆるい雰囲気。



最近はめっきりサメ映画でグロを感じることはなくなっていたのですが、本作はやはりスラッシャー映画を意識しているのかその点かなりイケてます。100%自業自得とはいえさすがにかわいそうになってくるほど悲惨なムシャムシャ捕食シーンが多数。ここは素晴らしい。サメ映画としては珍しくサメがバンバン出てきて襲ってくるのもいいです。久々に「サメって怖い生き物なんだなあ」と素直に思うことが出来ました。



…ただ、最後の最後で思いっきり笑いと愛嬌を振りまいてましたね。「サメ映画でサメが可愛かったシーン10選」とか作ったら確実にランクインするレベル。それともバカを喰いすぎてバカが伝染したのかもしれません。まあ、劇場公開されただけあってサメ映画の中では上位クラスの出来で非常に楽しめました。


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