「サベージ・ウォリアー ヴァイキングVSクランプス」 感想 みっともない剣術

概要

原題:Pagan Warrior

製作:2019年イギリス

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ルイーザ・ウォーレン/ニック・ミナージュ

出演:ピーター・コスグローブ/シャイラ・アルバレス/タラ・マッゴーラン/ダレル・グリッグス


西暦812年。サセックス王国の国王ロロとその一族は、ヴァイキングの襲撃により瀕死の重傷を負い、城を乗っ取られてしまう。通りすがりの魔女の姉妹に助けられたロロは、国を取り戻すため悪魔クランプスの手を借りることに。だがそれには大きな代償を支払う必要があった。


予告編 本編

感想



(↑DVDは現在252円と爆安)



itn distribution & ルイーザ・ウォーレン監督の最凶タッグによる歴史ファンタジークソモンスターアクション映画。

内容は中世サセックス王国でヴァイキングに城をとられた王様がクランプスという悪魔の手を借りて何とかしようとする話。王国がどうのこうのと一見スケールのでかい話ですが、登場人物は数人です。



本作、衣装だけはそこそこ頑張っています。と言っても本作のために製作したのかただの学芸会用レンタル品なのかは知りませんが、一応なんとか画面には中世の人物たちが映っているように見えないことはない。王様のヒゲもなかなか立派なものです。悪魔クランプスもゴチャゴチャした衣装とめんどくさそうなマスクでまあまあ悪魔的に見えないこともない。



しかし、それ以外は壊滅的。特にチャンバラアクションシーンの稚拙っぷりは微笑ましさの極みで、いい大人たちが幼稚園児並みのたどたどしい動きで重量感のない剣をぶつけ合う様は確実に学芸会以下のレベル。その辺の一般人に即興でチャンバラさせてもこれよりはマシになるのではないかと思われます。しかもそれを変にカメラワークや編集でごまかそうとしている分よけいにひどくなっている。まあカメラワークと編集はそこに限らず全体的に変なんですが。そんなものを見せられている中で、王様の弱さを罵るヴァイキングの「みっともない剣術だ」というセリフが自虐的な響きを持って聞こえてくるのが笑えます。確かにこれ以上ないほどみっともなく、クソ映画マニア的には一見の価値があるとすら言えるでしょう。



そんなみっともない剣術で敗れた王様は悪魔クランプスを呼び出し、ヴァイキング退治を依頼。悪魔クランプスはヴァイキングの前に現れると「お前は悪い奴リストに載ったのだ」などと幼児向けヒーローのようなセリフを吐きながら悪いやつの首筋にガブリと噛み付いていきます。そこはグロ好きなルイーザ・ウォーレンらしく派手に流血してくれるのですが、本当にただ血糊が垂れ流されるだけで傷口も全く何もないやっつけ仕事っぷりがクソ映画的にはポイント高め。何の変哲もひねりもないシンプルなストーリーではありますが、総じてクソ映画的には見所が多くボチボチ楽しめる作品でした。

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