「アメリカン・レフュジー」 感想 これも米国社会の縮図なのか

概要

原題:American Refugee

製作:2021年アメリカ

配信:パラマウント・ピクチャーズ

監督:アリ リロイ

出演:エリカ・アレクサンダー/デレク・ルーク/サム・トラメル/リサ・ブルース/ジェレミー・ゴールド/クリス・マッカムバー/ジェイソン・ブラム


アメリカで大恐慌が発生し、市民が暴徒化。グレッグは車上荒らしに襲われ、自宅にも強盗が襲撃してくる中、家族を守るために隣人であるサムの地下シェルターへと避難させてもらうことに。だがサムは暴君のように振る舞い、グレッグは妻ヘレンとも意見が合わずシェルター内の人間関係は悪化していく。


予告編

感想



これもブラムハウス製作の配信スルー作品。

アメリカが金融危機からの大恐慌に陥り、社会がヒャッハーしてくる中、ある黒人の一家が白人家族の住む地下シェルターに避難させてもらうがそこで修羅場になってしまう話。



アメリカの社会問題、人種差別問題が盛り込まれている…というか、それを二組の家族間の争いに単純化して皮肉った見せ方にしているというか、そんな感じの作品のようです。私はアメリカ株に資産の9割をぶち込んでいるだけにアメリカの社会情勢についてはそれなりに関心があるものの、所詮島国の端っこに引きこもっているカッペなのでこういうのを見せられてもいまいちピンと来ません。



黒人のグレッグとその妻ヘレン、その子供たちや親類は基本インテリで平和主義者です。それに対し、出てくる白人たちがどいつもこいつも明らかに粗暴なクソ野郎ばかり。金融危機でパニックになった街中で車を奪おうとしてくる白人グループ、グレッグの家に押し込み強盗に入って来る白人グループ。金融危機が原因であんな状況になるってのも何か曖昧な感じですが。で、グレッグたちはそいつらから身を守るために隣人サム(白人)の家に避難させてもらうわけですが、そのサムもクソッタレな暴君。



タイトルのアメリカン・レフュジー(アメリカ難民)とはグレッグたちがどこへ行っても白人たちから迫害されることを表しているようです。最近のホラー・スリラーではこういった作品が非常に多いと感じる。例えば昨年の「キャンディマン」もそうだし、感想記事は書きませんでしたが先日観た「マスター~見えない敵~」というアマプラオリジナル映画もそうでした。



島国のカッペ的には、これらの作品はどうも社会的主張が強すぎるあまりに娯楽性が蔑ろにされすぎていると思ってしまいます。主張があるのは結構なことですが、それはあくまで娯楽の中に塗り込めてくださいよと言いたい。あまりストレートにそればかり前面に出されても、なんでわざわざ金を払って説教されなけりゃならんのかなあ…って思っちゃいますよ。




以下ネタバレあり




オチはある意味驚愕ですが、あまり分断を深めてばかりでもアレだから超強引に融和路線に持って行ったように見えます。煮えたぎる鉛をぶっかけておいてそれはないだろっていうかされた方も猛烈な恨みつらみが残るだろうに何平和なコミュニティを形成しようとしてるんですか?…っていう。サムがあの後素直に反省したんだとしたらとてつもなく器が大きいですね。白人はそうあるべきだということか。社会派映画なので全然別の見方もあることでしょうが、私はそんな風に思いました。

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