「ザ・バーン 新型ウイルス感染」 感想 ザ・納屋

概要

原題:The Barn

製作:2019年アメリカ

配信:アマゾンプライムビデオ(トランスワールドアソシエイツ)

監督:マット・ブロア

出演:ケン・サミュエル/オレガン/パイパー・リンカーン


9.11の1年後、若者を中心に新型ウイルスの感染症が大流行。感染者には、攻撃的な行動と皮膚の壊死が初期症状として現れることから、人々は彼らをゾンビと呼び恐れていた。それから10年、ワクチンは未開発のままだった。そんな時、バージニア州の田舎町で、猟奇的な連続殺人事件が発生する。

(↑アマゾン商品紹介より)


予告編

感想




毎度おなじみ itn distribution 作品。


ジャケ絵(サムネ画像)的にはゾンビ映画っぽい。邦題からはいかにも「熱い」病気を引き起こすウイルスが蔓延してそうなイメージです。これはさぞかしハイテンションなゾンビ映画に違いない!…なんてわずかな期待を抱きながら再生してみたのですが、例によってめちゃくちゃダウナー系で不親切で味気ナイいつもの itn 的自主制作アート風映画でした。鑑賞中何度も幽体離脱しかけた。



そもそもタイトルの「ザ・バーン」は燃えるとかやけどを意味する「Burn」の方ではなくて「Barn」イコール「納屋」のことなのでした。カタカナにすると前者みたいで熱いイメージになるけど、明らかに誤認を誘ってます。サブタイは現実に便乗しようとしてますし。それにしてもアメリカ映画ってタイトルが異常に素っ気ないことが多いんですよね。それでいて本作のタイトルバックはやけに押しが強い。






予告編からスクショとりましたが、こんな風に画面を目いっぱい使ってバーンと出てきます。



で、大変どうでもいい話で恐縮なのですが、これって英語だから日本人から観ると違和感ないのであって、母国語だったらあまりカッコよくないのでは?とか思っちゃうんですよね。



だってもし本作が邦画だったらこうなってるわけですよ。







だせえ…。


そもそも「納屋」自体が別にそんなタイトルにするほどの重要物件でもないんじゃないか。



…で、内容についてですが。9.11の1年後から人間をゾンビのように変化させるウイルスが若者の間で流行り、それから20年後の世界が舞台となっています。別に文明が崩壊はしてないらしい。どっかの田舎町の農家のオッサン兄弟が納屋に若者ゾンビを何人か住まわせて何やかんやしているが、その頃その町では死体の局部にリンゴの芯をぶち込む猟奇殺人が多発していて、その犯人は…?というサスペンス的なストーリー。



こちらの興味を惹くような見せ方は全然しておらず、序盤から限りなくどうでもいい感じです。まあ内容が何とか理解可能であり映像に不快感がないだけ itn としてはましな方ではありますが、それでもやっぱり厳しい。そんなに複雑なストーリーではなさそうだけど分かりにくく、静かで淡々としておりすぐに意識が飛びたがるのでますます置いていかれるという悪循環。



そんな中かろうじて「死体にリンゴの芯をぶち込む」という猟奇殺人だけはちょっと引っかかります。犯人にはかなりユニークなこだわりがありそう。ただそれが映像で示されることはほとんどなく、そういう事件が起こっていることがセリフで語られるだけだし、主人公にその脅威が迫ることもないのでやっぱり飛ぼうとする意識を留めておけない。ゾンビも厳密にはゾンビじゃなくて「病人」って感じだし、保護者である主人公の言うことは聞いてくれるので別に脅威として描かれているわけでもない。



じゃあこの映画は何をどう楽しめばいいんだ…となる。正直なところ何もない。9.11に絡んだ背景や納屋にかけられたアメリカ国旗がやけに強調されるところを見ると社会派的なメッセージが込められていそうな雰囲気はあるけど…。


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