「ジュラシック・ツアーズ」 感想 BAD CGI JURASSIC

概要

原題:JURASSIC HUNT

製作:2021年アメリカ

発売:プライムウェーブ

監督:ハンク・ブラクスタン

出演:コートニー・ロギンス/ルーベン・プラ/タルカン・ドスピル/ジョストン・セニー/ダン・シンクレア/ベンジャミン・ワット


広大な自然保護区の中で、違法な恐竜狩りツアーが行われていた。参加者の一人パーカーは恐竜虐待を告発するため、スマートグラスを持ち込んで録画を試みる。だがそれに気づいた密漁組織は、パーカーを始末するべく恐竜を引き寄せる匂いを振りかけてくる。


予告編

感想





「アンナチュラル」

「スネーク・アウタ・コンプトン」

「ドラゴン・スクワッド」


…と、いつも尖ったモンスタークソ映画を提供してくれるハンク・ブラクスタン監督最新作。クマ・ヘビ・ドラゴンの次は地雷映画の王道ジュラシックもの。本作も例に漏れずかなりの威力をお持ちです。



まずどっかの自然保護区で違法に恐竜狩りツアーが行われているという設定ですが、その恐竜がどこから来たのか何の説明もありません。もともと恐竜が現代まで生き延びた世界なのか、定番の遺伝子操作によるものなのか。別にどうでもいいっちゃいいけど一言ぐらいなんかあってもいいと思う。で、主人公パーカーはそれを告発するためにツアーに参加して録画しようという話。密猟業界にも潜入捜査官がいるもんですかね。



恐竜のCGは10万年前か下手をすると20万年前ぐらいのジュラ紀クオリティで、とても目の肥えた現代ホモサピエンスにお出しできるようなシロモノではございません。…が、とりあえず「ジュラシック・スクール」よりはちょっとましかな。なんせジュラシック界隈は生物兵器に汚染されて長年放置された産業廃棄物処理場の中に核地雷が多数設置されているような魔境なので、たとえ20万年前レベルの雑CGであろうがそれほど目立つことはできないのです。ブラクスタン監督がいかに実力のある若手クソ映画監督であっても、ジュラシックを題材にするのはまだ早かったと言わざるを得ません。



つっこみどころは数えきれないほどあるのですが、大体寝ていたのでほんのいくつか触れるだけに留めておきます。まずジュラシック密猟ツアーに参加した12人ですが、わざわざ高い金を払って狩りを楽しむためにやってきたはずなのに始まっていきなりその半数が恐竜にぶち殺されてしまいます。これじゃハンティングというよりデスゲームではないか。あの生還率ではリピーターも見込めなさそうだし、中途半端に狩らせるよりいっそ武器を取り上げて恐竜のエサにした方が儲かりそうな気がします。



また、ハンティングなのに手榴弾を持ってる奴が多いのはどういうことなのか。恐竜狩りには何のメリットもなさそうな武器なんですが。とはいえ本作は結局人間同士の争いにもつれ込むので、そこで有効に使われます。…と思いきや、ツアーの黒幕は手榴弾の爆発を間近でまともに喰らっても余裕で無傷だわ、別に美形でもないのになぜか異常に顔だけ守ろうとするわとおかしな行動を連発。まあ他にも槍一本でティラノサウルスに向かっていく奴がいたりするし、おかしな奴しかいないという方が正しいか。ジュラシックソ映画としてはそこそこ悪くありませんが、「ドラゴン・スクワッド」ほどのインパクトはなかったのが残念でした。

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