「ゲームオーバー」 感想 バカソウ

概要

原題:TRIGGERED

製作:2020年南アフリカ

発売:アルバトロス

監督:アラスター・オア

出演:ライネ・スワルト/ラッセル・クラウス/リーズル・アーラース/スティーヴン・ジョン・ウォード/キャメロン・スコット/ペイジ・ボニン/ショーン・キャメロン・ミッチェル/クレイグ・ウルバニ


人里離れた森でキャンプをしていた若者グループ9人。だが、催眠ガスで眠らされている間にタイマー付きの爆弾ベストを着せられていた。そこに彼らの高校時代の教師が現れ、ゲームスタートを宣言し自殺してしまう。その爆弾ベストは、誰かを殺せば時間を奪うことが出来るようになっていた。


予告編

感想



後ろ暗い過去を持つ9人の若者が、爆弾ベストの残り時間を懸けて殺し合いをさせられるデスゲームもの。ソウ+バトロワ的な。爆弾ベストは爆発までの時間をカウントダウンしており、他の誰かを殺すと残り時間を奪えるという仕組み。ただデスゲームと言っても知的さも駆け引きもくそもなく、ひたすらバカにバカを塗り重ねて攻めてきます。爆弾ベストも普通に脱げそうに見えますしね。



登場人物は全員もれなく昆虫並みの知能なうえ、9人中7人は性格までクソッタレのクズ野郎&ビッチ。そんなゴミ共なので人間関係もタンツボの如し。「残り時間のために友達を殺さなくちゃいけないなんて…!」という苦悩と縁がある人の方が少ない。むしろこれをきっかけに今までのうっぷんが噴出してくる奴ばかり。まあ個人的にはデスゲームものにおいて「殺し合いなんかダメ!抜け道があるはず!」みたいなことを抜かす輩はもうとっくに見飽きたので、こうもガシガシやり合ってくれる作品には逆に好感が持てます。ただ、そもそもなんでそんなに破滅的な仲なのに一緒に集まってキャンプなんかしてんだよ…とは思うけども。まあこの手のホラーではよく見る人間模様ではありますが。



これはダメダメな映画かなあ…と最初思ったんですが意外とそうでもなく、なんか妙な勢いとパワーは感じられて悪くないです。スプラッターにも力入りまくりで、爆弾ベストを着せられたゴミ共がこれでもかと斧やらナイフやらを振り回してはザクザク切り刻んでくれるのでけっこう派手な人体破壊描写が拝めます。ここまで頭と性格の悪い人々が爆走している絵面もそうそう観られるものではありません。



それでも雰囲気的には一応シリアスっぽいのですが、時々変なセリフが出てきて笑わせてくれます。「ケガの具合はどう?」「ビットコインより危険な状態だ」とかね。


首謀者の高校教師は息子の死にこの9人が関わっているとみて復讐のためにこんなデスゲームを実行したわけですが、その辺の真相についても見どころの一つです。と言っても終盤でいきなり下手人がゲロるだけなんですが、動機も経緯もアホ丸出しで大笑い。それまで散々頭の悪さを見せつけられてきましたが、まさかあれほどとは予想できなかった。エンディングの「知るか!」も逆に後味が良く、変な爽快感のある作品でした。


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