「1/8 ハチブンノイチ」 感想(ネタバレ) 衝撃のバトルロイヤル

概要

原題:SOLUM

製作:2019年ポルトガル

発売:トランスフォーマー

監督:ディオゴ・モルガド

出演:カタリーナ・ミラ/ダーウィン・ショウ/ゴンザロ・ラモス/カルロス・カルバリョ/アンナ・ルドミラ/ルイス・ロウレンソ


テレビの企画で無人島0円サバイバル生活を送ることになった男女8名。好きな道具を一つだけ持ち込み、自撮りしながら自給自足生活を行い最後まで残った者が勝利者となる。だが、ある日突然弓矢を携えた参加者リアムが他の参加者を襲うハプニングが発生。襲われたスコットは他の参加者を手を組み身を守ろうとするが…


予告編

感想




地球脱出をかけた、衝撃のバトルロイヤル!


衝撃のバトルロイヤル!



…バトルロイヤルなんかしてたか?

いや、全然してないよなあ…。

設定的には真面目にバトルロイヤルすべきだったんだろうけど、乗り気なのが1人だけだったので他の7人はそいつに追われて逃げ回っていただけという印象です。



そもそもこの「地球脱出をかけた」っていう部分も製作者的には「ただのリアリティーショーだと思ったか? 実はエイリアンが主催してたんだよ。どうだ驚いたろう!」とドヤ顔したい大ネタだと思われるので、そんな肝心なところを宣伝で無慈悲にあっさりネタバレしてのけたトランスフォーマーはさすがという他ございません。


さらに言わせていただくと、その真相開陳シーンこそが本作における唯一最大の見せ場なので、そこがネタバレされてしまうと全く観る価値が無いっていう。トランスフォーマー的には本来伏せておくべきネタもフル活用して宣伝しないととても売れないと踏んだわけですね。このテキトー感丸出しの邦題も実に投げやりで素晴らしい。



せめて8人の参加者が本当に地球脱出権をかけて真剣にバトルロイヤルしててくれたら、別にネタバレされてようとその殺し合い自体を楽しめるかと思うんですが、んなこたあ全くございませんので楽しむ余地がほとんど何も存在しません。これじゃアマプラで配信されてる無名のZ級映画と何ら変わりないと言っても過言ではないレベル。悲しい。



エイリアンが人類を本当に選別したいのなら、参加者にはあらかじめ真意を伝えておくべきだったんじゃないでしょうか。もしくは普通に無人島生活で最後まで残った人を救ってあげるとか。宣伝でとっくにネタバレされてるのに「このリアリティーショーの真意は一体何なんだ!?」というゴタゴタだけでひたすら引っ張られても困る。じゃあ仮にネタバレされてなければ楽しめたのか?って訊かれるとそれもちょっとアレですが。登場人物がみんなどこかイラッとさせられる顔と振る舞いなのが痛い。好感が持てないうえ印象も薄いんです。



それでも何とかほめるべき点を挙げるとすると、やはり景色の美しさでしょう。ポルトガルのどこの島なのか全く分かりませんが、高所から見下ろした景観は実に素晴らしい。まあ景色が見たいだけなら「世界の車窓から」でも観てた方がいいんですけどね。あともう一つ、劇伴はハリウッド大作風味でまあまあ悪くない。髭面のサイコ野郎が弓矢を持って追いかけてくるくだりは劇伴も相まってそこそこのスリルが演出できているように見えなくもない。…と言ったところで本作が救いがたいジャンク映画であることに変わりはありませんがね。


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