「ディア・スナイパー」 感想(ネタバレあり) 道端の石のように認識しづらい作品

概要

原題:BLOOD AND MONEY/Allagash

製作:2020年アメリカ

発売:AMGエンタテイメント

監督:ジョン・バー

出演:トム・ベレンジャー/クリステン・ヘイガー/マーク・シーヴァートセン/ポール・ベン=ヴィクター/ジミー・ルブラン


かつて事故で娘を死なせてしまった過去を持つ退役軍人のジムは、雪深い森で鹿撃ちをしていた。だがある時、うっかり人間を誤射して死なせてしまう。やけになったジムは断酒の誓いを破りバーで酒を煽るが、誤射した人物が逃亡中の強盗犯であると知る。


予告編

感想




タイトルもジャケもトム・ベレンジャーも何もかも恐ろしく地味な作品。全然話題になってないし、ほとんど誰も見てないんじゃないか。

私も普段なら完全にスルーする案件ですが、今月は新作が少ないのでつい何となくレンタルしてしまいました。



トム・ベレンジャーと言えばスナイパー映画の「山猫は眠らない」シリーズが有名ですね。カッコいいけど意味は分からん邦題の。私は3作目までしか観ていませんが、何か未だにマニアックな人気があるようで昨年には8作目がリリースされたそうです。まさかそんな長寿作品になるとは思わなんだ。とはいえトム・ベレンジャーおじいちゃんも大概いい歳なのでもう主演ではなくなってるはずですが。



で、「山猫~」に続いて本作でもおじいちゃんはスナイパー役…のように見えますが、まあのんびり鹿を撃ってるだけのただのおじいちゃんです。しかも病気でたびたび吐血しており、どうやら死ぬ寸前です。一応元軍人という設定はあるものの、限りなく一般人に近い。特に正義感が強いわけでもないし、緊急時にまともな判断が出来ているようにも見えないし、戦闘能力が高いということもない。



本作で起こる事件の発端は、森で鹿撃ちしていたおじいちゃんがうっかり人間を誤射して殺してしまうことです。そこで正直に通報するなり隠ぺい工作なりすればいいのに、なぜかバーへ繰り出して酒に逃げるところが何とも「判断力に欠けるただの老人」っぽい。



しかし、バーのテレビを見るとその射殺してしまった女性は逃亡中の強盗犯だったことがわかります。そこで警察に駆け込めばまだ執行猶予くらいはついたんじゃないかと思うんですが、おじいちゃんは現場へ戻ると改めて証拠隠滅に走り、ついでに金の入ったバッグを手に入れます。なかなか往生際が悪い。しかもそこで犯人グループと遭遇してしまい、人里離れた森の中でおじいちゃんと4人の強盗犯たちとの戦いが勃発。



で、そこからはB級アクションでありがちなデフレバトルになります。

どう見てもろくすっぽ動けないヨボヨボのおじいちゃん1人を相手にどういうわけか苦戦しまくる強盗犯グループ。特に違和感を覚えるのが、おじいちゃんの車を燃やしてまんまとおびき寄せたのに捕まえきれないシーン。超鈍足のおじいちゃんが愛車を燃やされた怒りに駆られて無防備に近寄ってきたっていうのに取り逃がすのはさすがにおかしい。



それ以降も強盗犯グループは「お前らわざとやられてんのか?」と突っ込みたくなる情けない立ち回りを見せ、病弱なおじいちゃんに一人また一人と屠られていく。これを「アクション映画」と言っていいかどうかはかなり微妙なところですが、さりとて他に何か当て嵌まるジャンルがあるわけでもなく。観る前の予想を上回るほどの地味さ加減。



ラストは、「おじいちゃんは娘への罪滅ぼしをしたかったんだなあ…」とホロリと来させたいのは分かるんですが、その前にあれ警察に見つかるんじゃないですかね。見つからなかったとしても、ノコノコ取りに行ってあんな怪しいカネを一人でネコババできるかっていうと結構難しいような気がします。


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