「STUCK 漆黒の闇に蠢く影」 感想 イタリア版ディセントっぽいが…

概要

原題:STUCK Intrappolatinell'oscurità

製作:2020年イタリア

発売:アマゾンプライムビデオ

監督:アレッシオ・デ・ベルナルディ

出演:ミケラ・ガット/ダニエレ・ラコ/デビッド・スカランティーノ/ベアトリス・ジュスティーニ/マリオ・ジュスティーニ


洞窟調査チームは第二次世界大戦後、忘れ去られていた地下壕へ調査に向かう。しかし地下に人知れず生息する謎の生体に襲撃されてしまった。連絡が取れないチームを探すため、新たに救助隊が派遣されるのだった。一方、生存者たちは出口を探すが、そこには驚愕の真実が待っていた。

(↑アマゾン商品紹介より)


予告編

感想



製作費、推定わずか6000ユーロのイタリア製モンスターパニック映画。

アマゾンプライム配信。



内容は…地下深くに埋められていた第二次世界大戦中のバンカーが発見され、洞窟調査チームが潜ってみたが謎の生物に襲われて消息不明になる。

救助チームが派遣されるが、やはり謎の生物に襲撃されてしまう。

そしてさらに救助チーム第2班が派遣されるが(以下略)



といった話で、その地下に棲む謎の生物のビジュアルが「ディセント」に出てくる地底人にちょっと似ています。見た目だけでなく挙動もそうだし、ガイコツだらけの巣穴に獲物を連れ帰ってムシャムシャ喰ってる様子も似ている。まあ話も単純だし、イタリア版「ディセント」といった趣きのホラー映画であればそこそこ楽しめるんじゃないか。「ディセント」は私が深く愛している名作ホラーの一つなので、パチモンでも何でもウェルカム。



…と思ったんですが、さすがにこれはZ級に毛が生えた程度のショボさでちょっといただけない。


まず登場人物がろくに人格描写もされないのがよろしくない。主人公不在でひたすらモブたちが地底人風の怪物に襲われて喰われるだけのような、味気ない映画になってます。スプラッター描写もマーク・ポロニアの「ビッグフットVSゾンビ」を思わせる、簡易な内臓が見えるような見えないような低クオリティ。そこは下手にごまかそうとしないで堂々とさらけ出した方がいい。ポロニアのように内臓に見立てた布切れを服の隙間から引っ張り出してゴアシーンだと言い張ってほしい。


また、終盤で変などんでん返しを得意げに決めてきますが、正直何に驚けばいいのか?よく分からなくて困惑しました。そんな小細工より地底人とのバトルに注力していただきたい。



いや、まあ…製作費6000ユーロだと思えばあんまりけなす気にもなれないんですけどね。

プライムで観たから新作料金を払ったわけでもないし。

6000ユーロにしては相当頑張ってる方でしょう。

まあ、だからといって普通の人に勧められるかと言ったら全くそんなことはないのが悲しいところですが。



でも、「Z級映画に毛が生えたような」と言いましたが、なかなかこの製作費では毛を生やすのも難しいことだと思いますよ。それにイタリア製の珍しい毛ですしね。近年ではイタリア製モンスターパニックってだけでもかなりの希少価値があるので、そこに興味を持った人は見てみてもいいんじゃないでしょうか。


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