概要
原題:BLACK SHEEP製作:2006年ニュージーランド
発売:アムモ98
監督:ジョナサン・キング
出演:ネイサン・マイスター/ピーター・フィーニー/オリヴァー・ドライヴァー/ダニエル・メイソン/グレニス・レベスタム
ある事件がきっかけで羊恐怖症になってしまったヘンリー。兄アンガスに呼び出されて故郷の農場へ帰ってみると、アンガスは羊を遺伝子操作し改良する研究に勤しんでいた。自然保護団体員たちが遺伝子操作された羊を奪って逃がすと、農場の羊たちに感染し恐るべき殺人羊軍団へと変貌。アンガスが開いた式典に殺人羊たちがなだれ込み、悪夢のような光景が繰り広げられてしまう…
予告編
感想
つ…ついに!
ついに来ましたよ!
あの「ブラックシープ」が!!
いやー、長かった…。
何やら羊の群れが人を襲う映画があるらしい。
私がそんな怪情報をキャッチしたのはかれこれ15年近くも前のことだったでしょうか。
「そんな途方もなく面白そうな映画が作られたとな!?
これは絶対見逃すわけにはいきますまい!!」
…と、えらく興奮したものです。
しかし、待てど暮らせど羊の群れが人を襲う映画など日本に入ってくる気配もない。これは正直理解不能でした。あれだけしょうもない映画が続々と日本に侵入してくるのに、羊が人を襲うだなんて死ぬほど面白そうで大ヒット間違いなしのケッ作映画が入ってこないなんてありえない。あっていいはずがない。アルバトロスは何でこれをスルーしていたのか。
いっそのこと輸入盤を買っちまおうかとも思いましたが、英語ならまだしもニュージーランド語(?)はちょっと解読する自信がない。ブログでも時々「こんなのいいから早くブラックシープを輸入してくれ」などと書いたりしてましたが、2020年になってようやく!…ようやく観ることができました。感無量でございます。でも行きつけのTSUTAYAには1本しか入荷してなかったけど。10本ぐらい並べればいいのに。
この映画の何がそんなに好事家を引き付けるのかというと、まず草食動物が人を襲う映画というのは非常に珍しいものなんですよ。世にあふれるアニマルパニック映画は当たり前ですが大体が肉食動物のツメやキバを脅威として描いているからこそ観客に恐怖を与えられるわけです。
草食動物が襲ってくる映画といえば、「ゾンビーバー」のビーバーとか「ズーンビ」のキリン、あとはヒッチコックの「鳥」ぐらいのものでしょうか? この手の映画を大量に観ている私でもパッと思いつくのはこれくらいしかありません。要するに激レアです。
さて、そこで本作の内容ですが…
完璧でした。
実に素晴らしい。
「羊の群れが人を襲い喰らう」という好事家にとって夢まで見たような激レア・アニマルパニック・殺戮シーンがこれでもかと描写されている。15年近くも妄想して膨らみ切った期待に存分に応えてくれた。まさかここまでのハイクオリティで魅せてくれるとは。これ以上何も言うことはない。ストーリーとかもうどうでもいいです。というか羊が人を襲う光景に興奮しすぎてストーリーは全く頭に入ってきませんでした。なのでブルーレイを購入して今後も繰り返し鑑賞することになろうかと思います。それだけの価値は十二分にある。
それにしても、羊ってリアルでもテレビでもあんまり目にすることはないんですが、改めて見るとえらいカワイイもんですね。群れの中に飛び込んでモフモフしたくなる愛くるしさに満ち満ちていますよ。
そんなカワイイ奴らがドドドドと押し寄せてきて、浅ましい人間どもの手やら足やらを喰いちぎり、ハラワタを引きずり出すという地獄絵図を展開してくれるわけです。このギャップがたまらないんですね。しかも羊に噛まれると恐怖の羊人間になってしまうオマケ付き。
リアルな羊、訓練された羊、アニマトロニクスの羊人間とそれぞれが趣向の異なる見せ場を演出してくれるのです。ここまで羊に情熱を注いだアニマルパニックなど空前絶後でしょう。
方向性は全然違いますがリアルライオンパニック映画の「ROAR/ロアー」を見た時の感動に近いものがあります。この世にこんなとんでもない映画を撮るアホがいたとは!っていう衝撃。
あと、オチのつけ方も実に下らなくて最高ですね。
腹を抱えて笑い転げてしまいました。
ということで「羊の群れが人類を蹂躙する映画」と聞いて少しでも面白そうだなと思ってしまった人はぜひ鑑賞すべきであると言っておきます。
コメント
それは冗談ですが、確かに新感覚の映画ですね~
積極的に探しはしませんが機会があれば必ず観ます!
どう考えても面白くないわけがないんですよ。
今までもこれからもそんな映像、この映画以外で見ることは不可能ですから。
自己嫌悪の必要はありませんね。
あとは歴史の目撃者となるだけですよ。