「ドント・ゴー・ダウン」 感想  BTTFは3作目が一番か?

概要

原題:STAIRS/THE ASCENT
製作:2019年イギリス
発売:配信のみ?
監督:トム・パットン
出演:レイチェル・ワーレン/サイモン・ミーコック/ベントレー・カルー/ソフィー・オースティン/シェイン・ワード

戦場で民間人の捕虜を撃ち殺してしまったキア。彼女らの部隊はヘリで撤退しようと拠点の階段を駆け上がるが、いつまで経っても上に着かない。下に降りた兵士は何者かに襲われ死んでしまう。途中にあった扉を開くと、キアたちは捕虜を撃つ直前の戦場に戻されてしまっていた。

予告編



感想


何度も同じ戦場に巻き戻されるループもののSFアクションホラー。
一体どこの戦場なのか場所も時代背景も何も分からないのと、クリアするまで同じステージに挑戦し続けるような設定のため、非常にゲームっぽく感じます。さらに舞台は原っぱと階段だけなのですごく安く見える。



ヘリポートへ行くために拠点の階段をあがるキアたちの部隊。しかしいくら上がっても着かない。下からは怨霊が追ってくる。キアたちは戦場で撃ち殺した捕虜の呪いにかけられていた。途中途中で扉が出てくるが、そこに入ると捕虜を撃つ直前の状況にタイムスリップさせられる。過去の自分たちから捕虜を救い出さない限り、そのループからは逃れられないのだった。


ループものは大量に生産されてますが、こういうのはちょっと珍しい。
死後に時空を捻じ曲げてループ世界を作り出せる捕虜って一体どんな恐ろしい化物なんだよ?と思いますが「死の預言者」なる異名があったことぐらいしか説明がなく、ほぼ何も分からない。
そもそもあんなに強力な異能力を持ってるくせに、捕虜にされた末あっさり殺されてしまうとはどういうつもりなのか。死後にのみ発現するスタンド能力みたいな感じなんでしょうか。


人間ドラマ的なものもほとんどなく、ただただこの理不尽な状況で必死にトライ&エラーを繰り返す兵士たちの苦闘だけを淡々と見せてきます。楽しくなるシーンとか全然ありませんが、ただ一つ「BTTFは3作目が一番好き」とか言ってる黒人だけはみんなを笑顔にさせたんじゃないかと思います。


敵兵と過去の自分たちが入り乱れる中で捕虜を救出するのは難しく、何度も何度も再挑戦していくわけですが、ゲームとしてみるとミッションそのものよりリトライするたびに戦力が削がれていくのが非常にハードだと感じます。グラディウスの最終面でうっかり死んで装備を全部剥ぎ取られた時のような…とまでは言わないけど。

ただでさえ階段を上りまくるだけでも靴底に血が溜まるほど消耗してるし、階段に嫌気が差してリタイアしても、救出に失敗して誰かが怪我したり死んだりしても、一切回復できないという厳しさ。そのうえ階段の下からは捕虜の怨霊が追い立ててくるので休憩もろくにできない。たかが捕虜一人救うだけなんですが、繰り返せば繰り返すほどこれはもう無理なのでは?と思えてきます。階段に嫌気が差してリタイアする兵士の気持ちも分かるウンザリ感。


そんな絶望的状況から目の覚めるような逆転の一手が!!
…なんてことにはならず、まあそこまで追い詰められたらあとはそれしかないよね。って感じの解決法なのが若干惜しいというか物足りない気がしましたが、全体的に安っぽいわりにはかなり楽しめました。





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