「ディープ・スペース」 感想 壮大なスペース・サーガ(73分)

概要

原題:Deep Space
製作:2018年カナダ
発売:トランスワールドアソシエイツ
監督:ダヴィン・レンギエル
出演:ミシェル・モーガン/ミカ・コリンズ/キャサリン・ゴーシャー/ジョナサン・ウィッテカー/ターモー・ペニケット/クリスチャン・ブルーン

人類が深宇宙へ到達した近未来。輸送システム“ターミナル”により、1万年はかかる旅をわずか数カ月に短縮。微生物調査のため、軍人と科学者が宇宙へ派遣された。ある時、物資を積んだカプセルの受取りを担ったデューク中佐が、カプセル爆発の影響を受けデブリフィールドに取り残されてしまう。仲間のエイシアが救出に向かうも、デュークは「攻撃された…」との言葉を発した直後に死亡。残された者たちが原因究明に乗り出すも、地球への帰還が5カ月も遅れている今、食糧難に陥る危機と同時に再び起こるカプセル爆発を危惧していた。刻々とタイムリミットが迫る中、生き延びるために科学者エディが出した唯一の解決策。それはとても過酷で危険なミッションだった…。
(↑トランスワールドアソシエイツHPより)

予告編




感想


久々のトランスワールドアソシエイツ配給の新作。
今までトランスワールドアソシエイツ(以下TWA)は一体何をしていたのか?
私の勝手な想像ですが、一生懸命プライムビデオにC級映画をアップロードしていたんじゃないかと思いますね。プライムはそういう仕組みらしいですし、TWAの好きそうなC級映画が結構ありましたからね。

そんなC級映画専門配給会社TWAがわざわざソフト化してまで発売した本作は一体どのようなSF映画なのか。
宣伝によれば「ゼロ・グラビティ」+「オデッセイ」のような壮大なスペース・サーガらしい。これは期待が膨らみます。





……が、中身はやっぱりイマイチなC級映画でした。

一応安いなりにも宇宙っぽく見えないこともない映像なので、TWA配給作品の中ではかなりマシな方ではありますが。


人類は輸送システム「ターミナル」により、本来数万年かかる深宇宙へ数ヶ月で行くことが可能になった。そこで微生物等の研究をしていた科学者と軍人の団体。ある時何者かの攻撃を受け、地球からの物資を受け取れない事態に陥る。打開するためには、一人の宇宙飛行士を過酷なミッションに送り出す必要があった。


みたいな話なんですが、まず登場人物がむやみに多くて誰が主役なのかもよく分からない。そのうえ会話では本作中でしか通用しない理論や造語が度々出てくるので、結構集中して観てないと光速で置いて行かれます。私も置いていかれました。


人類は深宇宙へ到達した。と言われてもそもそも何しにそんな難儀なところへ来てるのか知らんし、過酷なミッションとやらが本題なのかと思ったら数分で失敗するし。救出作戦を結局やらないのが一番納得いかなかったかな。尿まで飲んで待ってるのに放置ですか。

それでは知的生命体とのコンタクトが主題なのかと思っても、そちらもろくに描写が無い。それらしき発光体が現われた瞬間にエンドクレジット。


監督も色々やりたいことはあったんでしょうけど、こんな短い尺の中で描けるようなお話じゃなかったような気がします。たった73分で「壮大なスペース・サーガ」は無理がある。どれもこれも一口ずつ齧っただけで終わってしまった印象です。どうでもいいクルーのどうでもいい会話は削るべきだったのではないか。いや、逆に金が無くて会話で尺稼ぎをする必要があったのかもしれませんが。宇宙SFを撮るにはかなり厳しい懐事情だったと思うんですよね。その辺の努力と工夫は買ってあげたい気もします。

まあTWA配給作の中では良い方だけども、どうにも記憶には残りそうもない薄味な作品でした。

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