「フューリーズ 復讐の女神」 感想(ネタバレあり) 一見ありがちなデスゲームに新味を加えた良作

概要

原題:The Furies
製作:2019年オーストラリア
発売:フルモテルモ
監督:トニー・ダキノ
出演:エアリー·ドッズ/リンダ·ゴー/テイラー·ファーグソン

ケイラは友人のマディとトンネルで落書きをしていたところ、謎の男に拉致されてしまう。目覚めるとカンオケのような箱に入れられ、人里離れた林に置かれていた。ケイラは同じように誘拐されてきた女性たちと協力して逃げようとするが、マスク姿の殺人鬼たちが襲ってくる。

予告編




感想


”復讐の女神”って「ライリー・ノース」とサブタイトル丸被りだけど便乗作か?と思ったら全く違うしむしろこっちの方が断然面白かったです。

女性が拉致されて、金持ち主催のお遊びデスゲームにむりやり参加させられてしまう…っていう実にありきたりな設定なんですが、そのデスゲームのルールが非常に斬新で感心しました。
しかしそこはこの作品のキモなので、ここで書いてしまってもいいものかどうかちょっと悩ましいところです。

…と思ったら、公式HPや各販売サイトの紹介文に堂々と書いてあるんでやんの。この様子だとジャケ裏にもしっかり書いてありそうですね。そんなら別にいいか。


拉致された美女(?)が8人、襲ってくるアニマルマスクの野獣(殺人鬼)が8人。殺人鬼が一方的に哀れな女性たちを襲ってくるのかと思いきや、そうではない。実は女性と殺人鬼は二人一組となっており、女性が死ぬとペアになっている殺人鬼も死んでしまうという一風変わったルール。なので殺人鬼は無差別に女性を襲ってくるのではなく、そのうち一人は保護対象なので殺人鬼同士でのバトルも勃発する。
「あなたが私の殺人鬼なの?」
という問い掛けに優しく手を差し出してくる殺人鬼がちょっと可愛い。こいつらも拉致されてきたたんだろうか。

となると、生き残りたい女性は殺人鬼に歯向かうより他の女性を殺した方が手っ取り早い。これはもはやデスゲームというよりバトルロワイアルといった趣き。こういうルール設定のゲームも見たことはありますが、スラッシャー映画としてはかなりの変わり種です。単純に殺人鬼から逃げるだけのスラッシャーはとっくに飽和状態なのでこういう新味を加えてくれるのは非常にありがたい。


しかも本作のゴア描写はかなりレベルが高い。
イギリスのとある映画祭でも

「ルチオ・フルチ:トラウマ目玉賞」
「最優秀死にざま賞」

の2つを受賞しているとのこと。
というか受賞したことよりもまずそんな賞があったことの方に驚きますが、目玉えぐりにかなりの心血が注がれているのは間違いありません。ルチオ・フルチ「サンゲリア」の目玉貫通シーンは確かに今でも脳裏に焼き付いてますが、本作の目玉くり抜きも負けてはいない。これならトラウマ目玉賞に充分ふさわしいと言えます。ところで他にはどんな受賞作があるんですかね。毎年やってんのかな。


目玉にインパクトを奪われがちですが、最優秀死にざま賞も見逃せない。本作はとにかく多種多様な死に方が続出するスラッシャー映画ですが、「最優秀」は間違いなく満場一致で斧で脳天唐竹割りを決められたあの人でしょう。行き過ぎたスプラッターは笑いを生む好例と言えます。劇場であればさぞかし大きな歓声が沸き起こりそうな素晴らしい死にざまでした。


コメント

匿名 さんのコメント…
こんにちは
こちらの映画を見ようと想うのですが、グロ描写はいいのですが激しいエロシーンとかあるのでしょうか?
人と一緒にみるので、エロシーンが満載だと気まずくなります。
そういうシーンは一切ない映画でしょうか?
岩石入道 さんの投稿…
どうもこんにちは
この映画にはそのような気まずくなるシーンはありませんので
小さなお子様をお持ちのご家庭でも、お友達を集めての上映会でも
気軽に再生できるかと思われます。必要なのはグロ耐性だけです。
匿名 さんのコメント…
お返事ありがとうございますm(__)m
濡れ場シーンはないようなので安心しました!!
学生同士で見るのでグロ耐性はOKです(笑)
また違う作品で気になったことがあれば尋ねますね!!
岩石入道 さんの投稿…
なんでそんな心配してるのかなと思ったらこれR-15だったんですね。
お役に立てて何よりです。