「ダスト・ウォーカー」 感想(ネタバレあり) 未知のウイルスは封鎖して感染者を集めて燃やしてしまうべし

概要

原題:The Dust Walker
製作:2019年オーストラリア
発売:動画配信のみ
監督:サンドラ・スキベラス
出演:ジョリーン・アンダーソン/ステフ・ドーソン/タリーナ・ナビード

オーストラリアの小さな田舎町に宇宙から謎の物体が飛来し、電波塔が破壊される。すると謎のウイルスが蔓延し、感染した人間はゾンビのようになってしまう。警官のジョアンは事態の収拾を試みるが、巨大な砂嵐で街が覆われ脱出もできない。そんな中、四つ足の巨大なエイリアンが出現する。


予告編




感想


宇宙より飛来した謎のウイルス。感染すると脳に侵入し、凶暴なゾンビのような何かに変えてしまう。町を出ようにも周囲はサンドストームが巨大な壁のように立ち塞がっている。通信手段もなく、生存者は警察署に籠城するが…


…と、よくある話ですが、そこそこ良く出来ておりまあまあ楽しめます。


ウイルスに感染した人の行動がちょっと思わせぶりで、黙って立ってるだけだったり身内を優先して襲ったり赤ん坊は殺さずに抱いてたり、ちょっとの間だけ正気に戻ったりと色々特徴があるんですが、そこら辺の謎は最後まで解明されることはありません。ウイルスを分析する博士が出てくるのでなんかあるかなと期待したくなるんですが、「これはこの街のものじゃない」と誰でも分かるようなことしか言ってくれない。これはかなりの肩透かし。


ただ、本作は全体的に台詞も少ないし説明不足気味なんですよね。受け手側の方で勝手に解釈してくれというタイプの映画です。なので感染者の描写にも何か意味があったのかもしれませんが。何も考えずにボンヤリ観ていると、わけの分からんエンディングを見せられてビックリします。(※以下ネタバレ)





巨大な四つ足の獣じみたエイリアンが感染者を次々と尾で突き刺してさらっていくのですが、最後はそのさらった感染者をまとめて焼却して帰っていき、町の封鎖も解けてメデタシメデタシ。主人公の警官ジョアンたちはただ右往左往していただけで、結局何も出来ていませんでした。


こりゃ一体何の話だったのか。
あとから伏線らしきものを思い出してみると、

「卵のようなものが2つ飛んできたのを見た。
1つは燃えており、後から来た方は燃えてなかった」

という目撃者談があったので1つ目はウイルス持ちの逃亡中エイリアンで2つ目がそれを追ってきた正義の(?)エイリアンだったのかなと…

例によって知的さの欠片もないグロテスクなエイリアンでしたが、実はすごい科学力を持っており、巨大サンドストームで街そのものを封鎖。親切に地球のことを考えてウイルスが広まらないようにしてくれたってところですかね。中国のプーさんよりよっぽど頼りになりそうなエイリアンです。

ジョアンたちをどうもせず去ったところを見ても、エイリアンは感染者をまとめて処分してウイルスを消滅させたかっただけみたいですね。地球人どもは別にどうでも良かったと。「AVP2」のクリーナーを思い出しました。

エンタメとしては少々疑問符の付く作りですが、新型コロナウイルスが蔓延している今この時に配信されるとは何というタイミングの良さ。中国で公開したら大ヒット間違いなしなのでは…。まあ現実世界では今更封鎖しても手遅れのようですがね。

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