「クラウンタウン」 感想  「悪魔のいけにえ」とピエロを食べて吐いたような映画

概要

原題:Crown town
製作:2016年アメリカ
発売:インターフィルム
監督:トム・ナゲル
出演:ブライアン・ナゲル/ローレン・コンプトン/アンドリュー・スタトン/ケイティ・キーン/デヴィッド・グレイトハウス/トム・ナゲル

なんかのコンサートへ行こうとしていた二組のカップル。途中で立ち寄ったレストランにスマホを忘れてきてしまったことに気付く。拾い主と連絡が付き、指定された田舎町で待ち合わせをしていたが、誰もこない。諦めて出発しようとした時、謎のピエロ集団が襲ってくる。

予告編




感想


「悪魔のいけにえ」とピエロを食べて吐いたような映画。

つまり、大したひねりも工夫もないグダグダしたC級ホラーだけど、観られないほどひどくはない。
監督は「マーダー・ドライブ」のトム・ナゲルで、主演のブライアン・ナゲルはその弟です。(多分)


DVDリリースの順番が前後してますが、製作されたのは「マーダー・ドライブ」の2年前なので、クオリティはあっちよりもかなり落ちます。
なんで今さら本作の国内盤がリリースされるに至ったのか?
…まあ、言うまでもありませんかね。


若者4人組が旅行中に変な田舎町に立ち寄ったら、そこにはサイコ・ピエロの集団が!!
…というだけの話なので、「悪いけ」の超劣化コピー以外の何物でもないし、特に語りたくなるようなオリジナリティは感じられません。

などと言ってしまうと感想にならないので気になったポイントに細かく突っ込んでいきますと、

まず主人公のブラッドはこの旅行中に彼女にプロポーズしようと企んでいるのですが、その婚約指輪をなぜか男子トイレで排尿中の男友達マイクに差し出します。

「この指輪、どう思う?」

ってね。
それを当然のように手も洗わずに触って検分するマイク。きたねえ。
そんなえんがちょ指輪でプロポーズされる予定の彼女がかわいそうでならない。


ところが、本作に出てくる女の子はいちいち悲鳴がめちゃくちゃうるさいです。
これじゃ同情する気も失せます。
特に一番最初にピエロに捕まってしまうジルという子は本当に勘弁してくれと言いたくなる勢いでピーピーキャーキャー泣き喚いてくれます。マジでやかましい。そのうえすぐ始末されるのかと思いきや終盤までしぶとく生き残りやがります。

「はやくそいつをだまらせろ!」

と怒鳴ってるピエロ側に肩入れしたくなる、というか本当に早くだまらせろや!とクレームを付けたくてしょうがなかった。耳がゲロを吐けるなら、今がその時だ。ついでに言うと私は吹き替えで鑑賞していたのですが、全体的になかなかの演技力です。多分インターフィルムの社員が自前で吹き替えているのでしょう。


あと、本作は実話に着想を得て製作されたそうです。
サイコピエロが観光客を襲っているなどという楽しげなニュースを見た記憶はないので、多分そこじゃなくて小便して手を洗わずに婚約指輪をいじり回したエピソードが実話に基づいている部分なのだと思われます。この婚約指輪、ストーリー上何の意味も無かったしな。


ということで、「悪魔のいけにえ」系のスラッシャーが好きな人なら暇つぶし程度には楽しめるかなと思います。

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