「アンダーワールド リベンジャー」 感想 悪党を貪る野獣

概要

原題:Lazarus

製作:2021年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:R・L・スコット

出演:ショーン・リッグス/コスタス・マンディロア/ニッキー・ミショー/マイア・ハリソン/アダモ・パラディーノ


麻薬組織からの勧誘を断って殺害された男ラザルス。だが、彼は救急車の中で奇跡の復活を遂げる。ヘルボーンという謎の男に導かれ、神に次ぐスーパーパワーを手に入れたのだ。街に合成麻薬を蔓延らせる犯罪組織を一掃するため、ラザルスは行動を開始する。


予告編

感想



一度殺されながら、謎の奇跡で神に次ぐ力を手に入れた名もなきヒーローが街を牛耳る犯罪組織にリベンジする低予算アクション謎映画。こんな邦題ですが、狼男や吸血鬼は関係ありません。

アマプラ299円。



先に良いところを挙げておきますと、まず格闘アクション・殺陣はなかなかスピーディで悪くないです。中でも犯罪組織が放った切り札的な中二病殺し屋が、主人公ラザルスの仲間ひとりひとりに素手でタイマンを挑んでくるあたりは展開としても結構熱いものがあります。



ラザルスもただ無償で「神に次ぐパワー」を得たわけではなく、他者の命を吸収しないといけないっていう設定も悪くはないんじゃないでしょうか。生きるためには悪党を倒し続け、悪党の命をむさぼり続ける必要がある。ダークな世界観に合ってますね。



ただ、それ以外の部分はまあまあキツイ。一応、死んだラザルスがヒーローとして復活する導入部から犯罪組織への復讐を決意する序盤まではまだ普通に観ていられるんです。が、その後の極めてモッサリした辛気臭い会話中心の展開で意識が置いていかれます。謎映画はすぐこうなるから困る。



どう考えても尺が長すぎるんですよね。なんだって1時間45分もあるのか。この規模の映画だと確実に間が持たない。悪党側にも同情すべき理由があるみたいなドラマを入れていたり、何の活躍もしない脇役キャラクターの登場シーンに尺を裂いてみたりと中だるみしまくり。その辺はシリーズ化の布石みたいな色気も感じますがね。



ラザルスのヒーローとしてのビジュアルも少々難があるかなと。メタルマンをさらにシンプルにしたようなマスクが非常に芋っぽくてアレ。顔もデカく見える。わざわざ正体を隠すために被っていたはずなのに、敵を倒した後普通に外しちゃうから速攻でバレてるし。あとライバルの殺し屋もそうなんですが、ほぼ真っ黒ないで立ちに画面の暗さが相まってちょっと見づらいかな。




この作品についてはそんなところですが、それよりもこの監督の

「ゲットー寿司」

っていう作品の方が著しく面白そうなので配信してほしいなと思います。





日本文化への愛を利用して強力な敵に立ち向かう?

それがゲットー寿司?

一体どういうことなんだ…



「アンダーワールド リベンジャー」(Amazon Prime Video)



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