「無実の証明 第一容疑者になった私」 感想 金持ち優遇を許すな

概要

原題:A Date to Die For

製作:2015年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ジョン・マーロウスキー

出演:ヴィクトリア・プラット/ジェニファー・テイラー/バート・ジョンソン


バツイチ同士のデートを楽しんでいたローラとマイケル。だが翌朝、マイケルはベッドの上で刺されて死んでいた。横で寝ていたローラは第二級殺人罪でムショにブチ込まれるが、愛する娘と暮らすため、保釈金を積んで外へ出て真犯人探しに乗り出す。


予告編

感想





毎度おなじみ珍作テレビ映画職人ジョン・マーロウスキー監督による新作?テレビ映画。


今回はプロデューサーも兼任している様子。



…のわりにはマーロウスキー史上最低と言っていいレベルの超絶手抜き。本当に当たり外れが大きい人だなあ。手癖で適当に撮っただけのやっつけ感がすごい。



内容は、離婚調停中で双極性障害を持つセレブ白人ママがデート相手の殺害容疑で捕まってしまうというサスペンス。



黒幕なんてもう一切隠す気もなく、開始早々に分かってしまいます。というか容疑者がありきたりのポジションの2人しかいないし。いちおう元夫にミスリードしようとはしてるけど、元夫が犯人だと「よりを戻してハッピーエンド」ができなくなるのでこの業界ではあまり好まれません。もちろん他にもっといい相手がいるパターンなら別ですよ。たまには「実は娘が犯人だった」くらいのアクロバット飛行を見せてもらいたいものです。



ほんでセレブママはムショにブチ込まれてしまうわけですが、愛する幼い娘のために何としても帰りたい。そのために必要な保釈金は100万ドル。しかし自宅を担保に入れれば10万ドルでいいということで速攻でシャバに出てきます。関係ないけどここで出てくる弁護士役の吹き替えが棒読みすぎて笑えます。



第二級殺人罪でもたった10万ドルで出てこれるなら安いもんですね。しかし最近のアメリカではお金持ち優遇との批判が出ており、ニューヨークやカリフォルニア州では保釈金制度が廃止されるなど徐々に意識が変わりつつあるようです。



そんな学びがあったことはさておき、セレブママが釈放されて真犯人捜しに乗り出すまでに尺の半分以上を浪費するというとんでもないスローなペースには歴戦のクソ映画マニアもグロッキー状態です。やることないから水増ししているとしか思えない。



トリックもただ監視カメラ映像を改ざんしただけだし、真相も意外性もくそもない予定調和を見せられるだけ。唯一最大の見せ場と言えたのは真犯人が警察に撃たれて少し吹っ飛んだことぐらいですかね。普通の拳銃でそんな飛ぶこともないだろと。しかしまあその程度しかつっこみ甲斐のない薄味クソ映画でした。



「無実の証明 第一容疑者になった私」(Amazon Prime Video)



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