「エアー 地球から酸素が消えた日」 感想 人は酸素が無くても希望を持てるか

概要

原題:AIR

製作:2014年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ニック・ロイヤー

出演:サシャ・ステーリー/ビル・グレナン/D・スコット・グラッサー


ダイビング中の事故で夫を亡くしたケイシーは、その後のある日もひとりで海に潜っていた。だが浮上した時、呼吸ができなくなっていた。なぜか地球上から酸素がなくなっていたのだ。彼女は酸素ボンベを背負い、電気自動車で愛する家族の元へと向かうが。


予告編


予告編、なかった。


感想



本日からアマプラで配信開始の新作謎映画。299円。


邦題やサムネからは本格的SF映画のようにも見えますが、実際は1時間20分のわけわからんポエムでした。酸素欠乏症で人類が壊滅した後の世界を旅するロードムービーといった趣きですが、あまりにも観念的でまったりしており退屈です。ついでに出演者の演技力も壊滅的。さすが10年も前の作品を今さらアマプラに流してきただけのことはある…。



そもそも本当に酸素がなくなったのか?という疑問。いや、見るからに超低予算なので(imdbには7万ドルとの記載あり)仕方ないっちゃ仕方ないんですが、ケイシーはスキューバ用の酸素ボンベ一本で何日もゆったり過ごしており、さすがに違和感が拭えません。というか酸素濃度ゼロの気体をうっかり吸い込んだらほぼ即死するのではという気もする。



そのうえミニクーパーを運転してるんですが、これも一応電気自動車のステッカーやエンブレムは貼ってあるもののEVには不要のマフラーが付いており、エンジン音もしているような。生い茂る草木はそよ風に揺れており、とてもじゃないけど酸素のない世界には見えません。



とはいえ人間はほぼ全滅した状態。一部ポリ容器で呼吸している器用な奴もいましたが。酸素が消えたというより、人間専用の毒ガスでもバラまかれたと考えた方がまだ違和感が少ない。作中の科学者もそんなことを言っていたけど、結局何が起こってそうなったのかは全く追及されずじまい。オーストラリアが消滅したという衝撃のラジオ放送も完全スルー。水槽の魚を眺める回想からすると神とか宇宙人のような上位存在の仕業には違いないでしょうが。



まあ、元凶とかサバイバルとかそんな面白いことは本作にとって重要ではないのでしょう。おそらくケイシーがこの事態を乗り越え、たとえ生存が絶望的であろうとも息子や両親の元へ辿り着こうとする心の強さ的なものを描きたかったんではないかと思います。好意的に見ればですがね。



「エアー 地球から酸素が消えた日」(Amazon Prime Video)



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