「 COLA WARS/コカ・コーラvs.ペプシ」 感想 アメリカ史上最大の戦い

概要

原題:COLA WARS

製作:2019年アメリカ

配信:A&E Television Network

監督:ニコラス・ウォード

出演:クリストファー・エマーソン


炭酸飲料市場で最大シェアを誇るコカ・コーラと、斬新なアイデアで首位を狙うペプシが繰り広げた「コーラ戦争」。勢いを増したペプシに対抗するため、コカ・コーラが下した重大な決断はアメリカ中を揺るがした。時代を象徴する戦いの歴史に迫る。

(↑アマゾンより)


予告編

感想



1970年代から90年代にかけて、コカ・コーラ社とペプシコ社の間で繰り広げられた激しいマーケティング競争「コーラ戦争」を題材としたドキュメンタリー。



コカ・コーラとペプシコーラ、美味いのはどちらなのか。私の意見としては、普通の砂糖入りの商品についてはコカ・コーラが良く、ゼロカロリーの商品はペプシコーラの方が好きです。たまに出す変わり種の商品ではバニラコーラとかペプシアイスキューカンバーが好きでした。



ただし一番好きなのは砂糖入りでもゼロカロリーでもドクターペッパーです。

なので当然キューリグ・ドクターペッパー社の株式も保有しているのですが、それ以外にもペプシコ社の株式も一応持っています。どうしてコカコーラ社ではなくペプシコを選んだのか。さほど深い理由はありませんでしたが、何となく無意識下ではペプシコーラの方が好きなようです。



本作はドキュメンタリーながらどうもペプシコ寄りの内容となっており、「ペプシコーラはいかにしてコカコーラに勝利したのか」といったタイトルがふさわしいのではないかと思うほどになっています。マーケティングではペプシコが常に一枚上手で、コカコーラはだいぶボロクソに言われています。レナード対ペプシコ事件には触れないのか。



ただもともとのシェアは炭酸飲料の始祖であるコカコーラが圧倒的に強く、コーラ戦争とはつまりペプシコが対等のライバルに駆け上がるまでの歴史なので、ペプシコが巧く強く見えるのが自然なのかもしれません。



まずペプシコが1975年に行ったマーケティング戦略「ペプシチャレンジ」は目隠しをしてコカコーラとペプシコーラを飲んでもらい、どちらが美味いかを当てるというもの。そこで多くの人がペプシを選んだことからペプシコの躍進が始まります。



ただ、これはペプシが絶対的に美味いというよりはペプシの方が少し甘味が強いため、一口飲んだだけではペプシの方が選ばれやすいということのようです。ビッグ錠の料理マンガでもこれと似たような話を見たことがありますね。審査員が一口しか食べない料理勝負に勝ててもこれではお客は満足しないぞ!みたいな。一本全部飲んだ時の満足度はまた異なるんでしょうね。



ビッグ錠はさておき、その味比べではコカコーラ社の人間ですらペプシを選ぶ事態が発生し、後にコカコーラが伝統的な調合を変え「ニューコーク」を発売する要因になったとか。



ペプシチャレンジ後もペプシコはマイケル・ジャクソンを広告塔に使いさらに躍進。映画の小道具の世界でもコカコーラが長らく独占していたところを「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」からペプシコも参戦し、テレビではリドリー・スコットに派手なCMを作らせるなどして激しく追い上げ。



まさかリドスコまでそんなものを作っていたとは驚きでした。しかしBTTFなんて子供の頃に何度も観たけど、マーティがペプシコ飲んでたなんて全く気にしてませんでしたね。まあでもそういう地道な積み重ねが大衆にブランドを浸透させていくのでしょう。



日本では宣伝で競合他社のことを直接けなすなんてことは絶対ありませんがアメリカではそんなことはなく、堂々と相手のことをディスっています。そっちの方が面白そうではある。

コカコーラ社は「ペプシは木に吊るそう」と言ったり





ペプシを2位のやつ呼ばわりしているCMの映像は笑いました。

ペプシコ派の声もなかなか過激で



「コーク派の知り合いはいなかったし、知り合いたくもなかった

国を二つに分けないのが不思議だった

自分たちで壁を作ればいいと思った」



別に生きていくうえで必要でも何でもない炭酸飲料ごときで何をそんなに熱くなっているのかという感じですが、そんなもんでも消費者はここまで対立する!というマーケティング競争の過熱の恐ろしさが本作の主題と感じられます。たかがコーラのブランドなのに消費者はひいきのスポーツチームを応援しているかのような、あるいは共和党支持者と民主党支持者の争いというか、そういうものに近い雰囲気を当時の映像からは感じられます。



ただ、この戦争はどちらかを滅ぼすような戦いではなく、あくまでプロレスであると語るクリエイティブディレクターの言葉が最も印象的でした。



「リングに上がってお互い殴り合い、ロッカールームに戻ると数十億ドルを山分けする。彼らは競争することで市場を拡大し、新たな市場を作り出しました。そのような競争はアメリカという国を表しています」



こっちのが美味い、いやそっちの2位は木に吊るせだなんだとやり合いつつ、実際はウィンウィンの関係であった。そして、だからこそアメリカ企業は強い…というわけですね。コーラ戦争についての概要はwikipediaなんかで読んだことはありましたが、当時の映像を交えて解説されるとまた新鮮な気分で興味深く楽しめました。たまにはこういうドキュメンタリーもいいもんですね。




ちょっと余談ですが2024年現在、コカコーラ社とペプシコ社の敵はイーライリリー等が開発した新しい肥満治療薬となっています。何でもそれを服用するとさすがのアメリカ人でもコーラやスナックをモリモリ飲み食いできなくなるらしく、コカコーラやペプシコの売り上げに甚大な影響があると懸念されているのです。「肥満薬ショック」とまで言われるほどのピンチを果たして乗り切ることができるのか。緊張感を持って今後のコカコーラとペプシコを注視していこうと思います。



「 COLA WARS/コカ・コーラvs.ペプシ」(Amazon Prime Video)



コメント

匿名 さんのコメント…
コーラは偽薬フリー時代にコカイン混入させて売ったのが始まりなんですよね

なお私が飲むのは安っすいトップバリュライトコーラ(1.5L118円)です
体重減らしてる最中であっても100ml20カロリー
ゴミみたいな飲食物が多いトップバリュとは思えないそこそこのパチモン

と思って見たら取引先にコーラがあって下請けであった
多分これ日清製のトップバリュヌードルと同レベルのパチモンなのかな
岩石入道 さんの投稿…
> 2024年1月20日 4:47の匿名さん

トップバリュのやつそんなに安いんですか!見たことなかったなあ。しかしパッケージも異常に安っぽいのはわざとなんですかねえ、あれで購買意欲がかなりダウンするんですが。体にも悪そうだしただの炭酸水でいいやってなっちゃいますね。でもせっかくだからコークとペプシも合わせて今度飲み比べでもしてみようかな?
匿名 さんのコメント…
訂正:2kカロリーでした(ご飯1杯234kカロリー…)

蛇足ですが、身体的には缶の350mlサイダーを安い時に箱買いして
ちびちびと消費するのですが、
ライトコーラのほうが飲んだ翌日の体の負担が少ない気はしますね
※ 飲食制限している状態だと何となく影響がわかる