「生存者は見た」 感想 JIGSAW ソリッド・ゲーム

概要

原題:The Unforgiving

製作:2010年南アフリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:アラスター・オア

出演:ライアン・マクケット/クレール・オペルマン/マイケル・トンプソン


ルート106号線惨殺事件の生存者レックスは、警察で刑事の事情徴収を受けていた。田舎道で車が故障し、助けを待っていた彼はそこで記憶が途切れ、気がつくと見知らぬ廃墟で足を鎖で繋がれていた。そこでガスマスクをつけた人物と遭遇。その場から離れないことを要求するガスマスクに逆らったレックスは、意識をなくすまで幾度も殴られ続けた。もう1人の生存者アリスは、帰宅途中で車が故障したところをガスマスクに襲われ、狩りの獲物のような扱いを受けていた。ガスマスクはデスゲームを楽しむかのように、監禁した者たちをいたぶっていく。しかし刑事は、2人の証言に違和感を抱いていた。生存者たちが語り始めるおぞましき世界と、驚愕の真実が秘められたサスペンス・ホラー!

(↑アマゾン商品ページより)


予告編

感想



アマプラ配信の新作謎映画。

商品ページにはしっかり「2023年」の文字が確認できます。



しかし!

そうと見せかけて、実際は2010年の作品です。

…低予算映画の主戦場がレンタルビデオ屋から配信サイトになっても、配給会社のアニマル・スピリットは失われていないようで頼もしい限りです。



しかもこの作品、2011年にはアルバトロスからSAWのパチモン「JIGSAW」シリーズの第12作目にして完結編として「JIGSAW ソリッド・ゲーム」のタイトルでDVDがリリースされています。なんだこのややこしい前科は。

(ちなみに素性は別にシリーズ作品でも何でもなく普通に単発のオリジナル作品)



10年以上前に詐欺まがいの手法で売り出された作品が、配給権の切れた頃合いに別会社からサルベージされ、またしても詐欺まがいの手法で新作として配信リリースされてしまう。そして新作料金299円を謎映画マニアから巻き上げる。



なんとまあ業の深い作品なのか!

ここまでアコギな商売もそうそう見られませんよ!



…ただ、悪いのは日本の配給会社であって、作品のクオリティ自体は製作費のわりには高い方です。見た目も中身も「SAW」のパチモンなので今見ると色々な意味で古臭くてたまりませんが、超絶低予算のわりにはマジメで凝った作りではある。もしこれがリサイクル品ではなく新作の謎映画だったとしたら結構喜んでいたかもしれません。



内容は、サイコな殺人鬼に捕まってなんやかんやひどい目に遭わされた男女ふたりがそれぞれフラッシュバックを交えながら刑事に証言をする。が、ふたりの証言には何か食い違いが…というもの。



男の方は回想でえらく痛めつけられて顔面にもひどい傷を負っているにも関わらず、刑事に証言している時は綺麗なお顔なので、時系列をいじってる系トリックなのは察しがついてしまいます。が、分かってみれば単純な事件なのに見せ方ひとつであれだけのどんでん返しを演出できたというだけでも、この規模の作品としては成功の部類には違いない。2011年当時にレンタルした人はそれなりの満足感を得られたのではないでしょうか。



…しかし、ゲオなら80円でレンタルできるものを新作と偽って299円払わされた私の憤りは一体どこへ向ければいいのか。まあ、ここに書きなぐったことで少しは解消されましたけども。今後の新作謎映画はリサイクル品でないかどうか充分調べてから金を出すことにしないといけませんね。ただでさえ謎映画界は地雷原にも等しいってのに面倒なことですな。



「生存者は見た」(Amazon Prime Video)




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