「ミュータント:マックス」 感想 異次元世界から来たスーパーホームレス

概要

原題:Archenemy

製作:2020年アメリカ

発売:アメイジングD.C.

監督:アダム・エジプト・モーティマー

出演:ジョー・マンガニエロ/スカイラン・ブルックス/ゾリー・グリッグス/グレン・ハワートン/エイミー・サイメッツ


Webライター志望のハムスターは、ある夜酔っ払って壁を殴りつけているホームレスに目を付ける。マックスと名乗るそのホームレスに話を聞くと、なんと彼は異次元世界からやってきた戦士で、今は宇宙のパワーがないからこうなってしまったのだという。彼の記事で目論見通りバズったハムスターだったが、姉のヘマでギャングのボスに狙われてしまう羽目に陥る。


予告編

感想



酔っ払いのホームレスが「自分は異次元世界のスーパーヒーローなのだ」と語るも既にそのパワーは失われており、やっぱりただのキチガイホームレスなのではないかと疑いの目を向けざるを得ない変なSF映画。



Webライターのハムスターはヤクの売人などヤバイ奴を取り上げてバズろうとしており、その一環で壁を殴りまくっている危ない酔っ払いホームレス・マックスの身の上話を聞くことに。マックスが異次元世界での活躍を語る時は映像がアニメになるんですが、いまいち絵が本人と似てないんですよね。そのせいもあってやはりマックスは自分がスーパーヒーローだと思い込んでいる頭のいかれたホームレスにしか見えません。ちょっかいをかけてきたマッスルカーに撥ねられながらもボコボコにし返してガラスをぶち割る姿は特にキチガイ指数高めでおもしろい。異次元だのヴォイド・マシンだのわけわからんSF的な話よりこのホームレスの愉快な日常をじっくり描くだけでもそこそこ楽しい映画になったんじゃないか。



なんやかんやあってハムスターとその姉が街のギャングに命を狙われる羽目になり、マックスはギャングたちと戦うことを決意。小汚いホームレス・スタイルから武装して機動隊のような恰好に。まあ、元スーパーヒーローとはいえ今はただのオッサンなので防御は固めた方がそりゃいいでしょうが。


で、前座のチンピラを青息吐息で倒したはいいが、幹部っぽいメガネギャングには激戦の末に敗れ、危うく殺されかける羽目になってしまう。実に等身大というか所詮ただ安全装置を外しただけのオッサンです。しかもその後特に大したアクションも活躍も無いのだからたまらない。本当にコイツは異次元から来た戦士なんでしょうか? 私は限りなく疑わしいと思いながら観ていました。



しかし終盤で撃たれたマックスの胸からは青い血が!! 驚くべきことに異次元人というのは妄想ではなく本当の話だったようです。ただ驚いたと言ってもあまり嬉しくはなく、どうせ活躍しないんだったら正直ただの妄想野郎で通してほしかった。自分によくしてくれた若者を助けるため、人生を諦めたはずのホームレスが捨て身でギャングに立ち向かう…そんなストーリーの方が素直に熱くなれていいと思うんですよ。異次元とか水晶の洞窟とかヴォイドマシンとか結局よく分からんし、語り口のスケールがでかいわりにはギャング数人を倒しただけのちっさい話なのでなおさらそう感じました。

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