「群がり」 感想 イナゴマゲドン

概要

原題:La nuée/The Swarm

製作:2020年フランス

配信:ネットフリックス

監督:ジャスト・フィリッポ

出演:スリアン・ブラヒム/ソフィアン・カーメ/マリー・ナルボンヌ/ラファエル・ロマン/ステファン・カスタング


2人の子供を持つシングルマザーのヴィルジニーは、イナゴの養殖農場を経営していた。だが思うように繁殖させられず、イナゴ養殖業もバカにされ、何もかもがうまくいかない。そんなある日、ヴィルジニーはイナゴが血を好んで吸うことに気が付き、エサとして血液を与え始めるが…


予告編

感想



イナゴ養殖で人の血をエサにしたらうまくいくことに気づいたが、血の味を覚えたイナゴの群れが人間を襲って大変なことに!



…このあらすじを見てどうしてもスルーできなかったので約3年ぶりにネットフリックスに再加入してしまいました。他には大して観たいのがなさそうだからすぐまた解約するかもしれないけど。いちいち契約せんでも、非会員でも1本400円とかでレンタルできるようにしてくれれば助かるんですがねえ。



しかしこんな楽しそうな映画の邦題が「群がり」とは。ネットフリックスジャパンのやる気のなさがうかがえますね。そこは「イナゴマゲドン/地獄の吸血バッタ軍団」みたいな風にしておけばもっとB級ホラーマニアが釣れやすいのに。日本版予告編もyoutubeには無いしさあ。



内容はいかにもな欧州映画で、あまり抑揚もスピード感もなく盛り上がらず気怠い雰囲気です。その代わりウジャウジャ密集しているイナゴの群れ、イナゴ単体での超ドアップ、など昆虫嫌いの人にはたまらない不快映像が盛り沢山。いくら持続可能な社会づくりをせねばならん時代だと言っても、こんなもんをフランス人が食うようになるとは思えません。とはいえ欧州はガソリン車すら駆逐しようとしているわけですから、率先してバッタぐらい食べてくれないと示しがつかないと思うんですがね。



現実的にイナゴやトノサマバッタ養殖業が儲かっているのかどうか知りませんが、本作の主人公ヴィルジニーの農場はサッパリで、子供は「お前の母ちゃんイナゴママ~」などと同級生にイジメられたりしています。昆虫食の普及はまだまだ先のようです。いくらイナゴのタンパク質含有量が牛肉の2倍あると言われても、イナゴの佃煮にステーキより高い値段は出したくないのが人情でしょう。丹精込めて育てたイナゴがアヒルのエサ用に安く買い叩かれるのがリアルっぽくて悲しい。やっぱり虫は人の食うモノではないんですかね(長野県の方を見ながら)。



とはいえ、私個人としてはイナゴにはそこまで嫌悪感を感じない方です。佃煮くらいなら多分食えます。イナゴのドアップ映像を見せられても、目がつぶらでカワイイなと思ったくらいだし。あれなら思わず手に取ってイボをかじらせたり、キズを舐めさせたりしても不思議ではないかも。…なんていうことはなく、さすがにイナゴ愛もそこまでいくとかなりキモイです。



しかしヴィルジニーのイナゴは血を吸うと元気に繁殖してくれるので業者から血液を購入したり、犬やヤギを犠牲にしたりとイナゴママの狂気がエスカレート。家畜なんて効率化のためには何を与えられてるか分かったもんじゃないよ、と言いたいのでしょうか。しかし効率化のためだけなら血や動物を買ってくればいいだけなのにわざわざ自分の血も吸わせるところは「イナゴ養殖に魅入られている」系サイコホラー的な側面も。



ただいかんせん犠牲者が少な目なせいかちょっと中途半端なので、パニックかサイコかどちらかに絞って欲しかったかな。まあでもイナゴが人を襲う昆虫パニック映画は珍しいのでそこそこ満足できました。


コメント

Jing-Fu さんの投稿…
岩石さんご無沙汰してます。
イナゴが主体のモンスターパニックなんて珍しいですね!
ネトフリオリジナルとのことなので、早速観てみます。
にしても、岩石さんの邦題センス良きですね笑
岩石入道 さんの投稿…
Jing-Fuさんどうもこんにちは。

そうですね、イナゴ系はあまり見たことないんでつい再加入してしまいました。イナゴパニックになるのは終盤でそれまではイナゴママの狂気がメインでしたが。ネトフリでなんか面白いのを知ってたら教えてください。邦題は日本の配給会社ならこうするだろうなーという感じで(笑)