「ラスト・パーティー」 感想 デブに人権はないのか

概要

原題:Die Ietzte Party deines Lebens / Party Hard Die Young

製作:2018年オーストリア

発売:プルーク

監督:ドミニク・ハートル

出演:エリザベス・ワビッチ/マイケル・グランチニグ/アレクサンドラ・シュミット/ヴァレリー・フーバー


卒業旅行にリゾート地で毎日乱痴気騒ぎをしていたジュリアたち。だが、親友のジェシーが急に姿を消し、さらにデニスがパーティ中に無残な死を遂げる。警察や関係者が事故死で片付けようとする中、ジュリアのスマホに不審な写真が送られてきて…


予告編

感想




南国リゾートでのパーティーではしゃいでいるアホな若者たちが次々と殺人鬼に襲われるホラー映画。ゲオ先行レンタル品。



邦題でも多分意識しているっぽいですが、「ラストサマー」と似たような内容。しかしその「ラストサマー」でさえ、90年代当時の私でも「何のひねりもない凡庸で古臭いホラーだなあ…」と退屈したくらいなので20年後の今そんなもんの劣化コピーを出されてもちょっと困る。



ただアホな若者がやられるだけの映画でも、殺人シーンに強い個性を出せれば「アクアスラッシュ」的な珍品を作ることも可能だと思うんですが、本作はそういう工夫も何も無し。登場人物もペラペラに薄いキャラしかおらんし、殺人鬼の正体も動機も極めてありきたり。見どころが無いにもほどがある。



ただそのわりには「数々の国際映画祭で高評価を獲得」と宣伝されているので、もしかするとこれはインディーズ映画なのかもしれません。確かにインディーズだとすれば、技術的にはそこそこ観やすく手堅く撮ってあるかなあと。何だかんだ言ってパーティで乱痴気騒ぎするようなアホな若者たちが次々と仕留められていくのは観ていて清々しいものはあります。スプラッター描写さえ派手に決めてくれればそれだけでもいいよってくらいハードルが低いジャンルなんです。



なのにいまいち地味な殺戮描写しかないのは、インディーズゆえにカネが足りなかったと考えればまあ仕方ないかもしれません。しかしやられる人数が少なすぎるのはいかがなものか。本作の場合主人公グループには殺されて当然と言ってもいいくらいの理由があり、大体どいつもこいつも性格が悪い。こんなクズ共全員ぶち殺してくれないかな。…と思いながら見ていたので、案外大勢が生き残ってしまうラストはどうもスッキリできない残便感のようなものを強く感じてしまいました。特に主犯格の2名をきっちり生き残らせたのは本当にわけがわからない。なんであいつらを真っ先に殺らないのか。3番目に殺されたデブなんかただ寝ていただけで何もしていないと思うんだけど。あのデブはどう考えても優先度が低いはずでしょう。というか彼は唯一性格がマトモっぽい人物だったような。それなのにエンディングではいい晒し者、笑い物にされてるし。彼が一体何をしたっていうんだ…


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