「ザ・ハント」 感想(ネタバレあり) レッドネック vs リベラルエリート

概要

原題:THE HUNT

製作:2020年アメリカ

発売:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

監督:クレイグ・ゾベル

出演:ベティ・ギルピン/ヒラリー・スワンク/エマ・ロバーツ/ジャスティン・ハートリー/ウェイン・デュヴァル


誘拐され、目覚めたら見知らぬ森の中にいた12人の男女。彼らには武器が与えられるが、突然何者かの銃撃を受ける。それは富裕層が娯楽のために行うマンハンティングであった。


予告編

感想







12人の男女が目が覚めたら見知らぬ森に連れてこられていて、金持ちのマンハンティングゲームの対象にされていた。…というと、一見非常にありがちな一山いくらのデスゲーム映画に見えます。しかし本作は社会風刺を強く効かせているところがその手のデスゲーム映画とは一線を画しており、トランプ大統領を怒らせるなどして話題になったとか。



ただ、社会風刺と言っても私には相当下らなく見えました。こんなんで本当にトランプが反応したんですかね? まあ観ないで概要だけ聞いて怒ったんでしょうけど。



リベラルエリート層があんなことぐらいで貧乏人と同じ土俵に立って命を危険にさらすようなマネをするわけがない。金持ち喧嘩せず、ですよ。マンハンティング自体はやってもいいと思うけど、獲物にわざわざ武器を渡すのはいかがなものか。安全圏から一方的に殺せばいいじゃないですか。争いは同レベルの者同士でしか発生しない!という言葉もありますし。いや、だからこそリベラルエリート層なんてレッドネックと同じ程度の知的レベルしかないんだよと言いたかったんでしょうけども。



面白かったのは序盤でエリック・ロバーツの娘であるエマ・ロバーツが主役面して出てきたところですね。父親の顔はもうウンザリするほど繰り返し見ていますが、娘のエマを見ることは滅多にないんです。いや、今となってはエマの方が有名人でしょうが、私が観るジャンル的にね。そしてその役名が「ヨガ・パンツ」っていう。そんなふざけた名前の奴がいるか。しかも主役なのかと思わせていきなり無残に殺され、そこからしばらく誰が主役なのか分からなくなります。



この辺はケヴィン・スミスの「レッド・ステイト」を思い出しましたね。あれも保守とリベラルのあれこれを皮肉ったサスペンスアクションだったような。そしてあれも主役が誰だか分からない映画でした。



それはそうと「レッド・ステイト」といい本作といい、アメリカ社会の分断をこうも全力で皮肉られても日本人である私にはそこまで響いてこないんですよね。当たり前と言えば当たり前ですが。トランプ大統領が負けたら株価が下がるかも…とか不安になってトランプを応援していたこともありましたが、結局バイデンが勝っても株価はガンガン上がってますし。別にもう共和党でも民主党でもどっちでもいいかなと。だからもう観ていて「勝手に戦え!」という気分でした。







ただ、中盤で判明する主人公が女ランボーばりに死ぬほど強く、敵ボスとの長~い肉弾戦は女子プロレスの試合でも観てるかのような満足感がありました。そこは本当に良かった。全身全霊の殺し合いはいつ見ても清々しいものですね。


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