「レギオン 血界戦記」 感想 悪魔ハンター軍団 vs.4人の堕天使

概要

原題:Angels Fallen
製作:2020年アメリカ
発売:ファインフィルムズ
監督:アリ・ザマニ
出演:ヒューストン・ラインズ/マイケル・ティ/ニコラ・ポースナー/エリック・ロバーツ/マイケル・マドセン

悪霊や悪魔と戦う悪魔ハンターのガブリエル。しかし彼は妻を戦いで亡くしてから引退状態だった。ある日、かつての仲間マイケルに復帰するよう頼まれ、再び悪魔ハンターとして今度はヨーロッパに現れた4人の堕天使を討伐する旅に出る。

予告編




感想


「悪魔ハンター・ガブリエルが仲間と共に4人の堕天使に戦いを挑む」

…っていう、中学生の妄想創作ノートをそのまま映像化したかのような微笑ましさ漂うC級映画。正直嫌いではないです。世界観とかキャラクターそれぞれに大量の裏設定があるんだろうな~と感じさせる、思わせぶりで漠然とした会話に満ち満ちているので話には付いていきにくいんですが、その置いてけぼり感もまた中二病映画の醍醐味の一つでしょう。


本作は冒頭からやけにイキイキとしたエリック・ロバーツがイヤミなビジネスマン役で出て来て好事家の笑いを誘います。しかし本当に冒頭だけしか出ないのでストーリー的には何の意味も無く、とりあえず声をかけられたから何となく出てみただけ感がすごい。まるで居酒屋のお通しのような存在ではないか。
他にもマイケル・マドセンが主人公ガブリエルを導く師匠みたいなポジションで出てますが、あの人たち相当ヒマなんでしょうね。


で、悪魔ハンター・ガブリエルとその仲間たちは、ヨーロッパに降臨する堕天使4人を探すための旅に出るわけですが、別に堕天使を倒そうというわけではないみたいなんですよね。殺さずに捕まえたいようなんですが、その目的がいまいちハッキリしないまま進んでしまう。
「この印の意味は分かるだろ」「イヴの予言だ」みたいな曖昧なセリフだけで流されてたような。


よく分からんけど、まあ悪の堕天使というくらいだから悪事を働く前に捕まえた方がいいんだろうなと。しかし、人形の姿で襲ってきた堕天使はいかがなものかと思いましたね。ガブリエルが人形掴んで適当にシェイクしてただけにしか見えなかったんですが。そこはミスタービーンがテディで遊ぶ時ぐらいの本気度が欲しいところ。「こんなアホらしい演技やってらんねーよ」感を出してはいけないと思うんですよ。確かにアホらしいけども。

他にも勝手に寄って来て何の抵抗もせずに捕まる堕天使とか、スタンガンで捕まる堕天使とかいまいちザコっぽい堕天使しかいない。

そしてクライマックスはそんなクソザコ堕天使様たちとまさかの肉弾戦。
やたら大げさな構えからの、ド素人丸出しな動きでペチペチと殴り合う様がものすごく微笑ましい。このヘナヘナ感はたまりません。しかも「俺は正々堂々と素手で戦うぜ!」とばかりに武器を放り投げてた癖に、ちょっと劣勢になると慌てて拾って使ってしまうダサさも笑えます。最初から使いなさいよ。


ということで世間的には確実にクソ映画扱いされる作品だと思いますが、好事家的にはそこそこ楽しめる良いクソ映画でした。

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