「4ルーザーズ」 感想 過酷な人生にもユーモアを

概要

原題:HIGH LIFE
製作:2009年カナダ
発売:配信のみ
監督:ゲイリー・イエーツ
出演:ティモシー・オリファント/ステファン・エリック・マッキンタイヤー/ジョー・アンダーソン/ロシフ・サザーランド

薬物依存症でムショ帰りの男たちが、銀行のATM機の故障を口実に銀行強盗を計画。だが、自己中でマヌケな奴らはぶつかってばかり。そして完璧な犯行計画は思いも寄らない方向に転がって行く!絶体絶命、4人の男たちの行く末を描くクライム・アクション!
(↑アマゾン商品紹介より)

予告編




感想





最近プライムビデオで配信された作品ですが、製作は2009年と結構古め。11年もスルーされていた低予算映画。79分とかなり短めの尺。期待できる要素はほぼありませんでしたが、これが意外にもすごく面白い。なぜこれが今まで日本に入ってきていなかったのか不思議なくらいです。プライム会員の人は観て損はないでしょう。



病院の清掃員として働いていたディックの元に、かつてのムショ仲間だったバグが訪ねてくる。バグの常識はずれな振る舞いで即クビになってしまったディック。彼らは二人とも薬物中毒者。ヤクを手に入れるには現金が要る。そこでディックは誰も傷つけないスマートな銀行強盗を計画。薬物仲間のドニー、依存症の会仲間のビリーと組んで4人で実行に移すが…


社会の最底辺、ゴミと言ってもいいヤク中ジャンキー4人組が銀行を狙うも、どいつもこいつもアホでマヌケで協調性の欠片もないクズすぎて始めっから全くうまくいかない。負け犬がさらに転落していく悲惨極まりない話。だというのに、明るく楽しく笑えます。

私も何だか人生うまくいかないな、どちらかと言えば負け組だろうなと思い悩んでいるネガティブな人間なんですが、本作のヤク中4人組はルーザーズどころではない。主人公のディックはもともと頭が良く、弁護士を目指していたほどなのに今では元妻の車を盗もうとして旦那にボコボコにされてしまうようなクズになり果てている。これも薬物の恐ろしさなのか。しかし他の3人はもっとひどいジャンキーなのでディックにリーダーシップを期待し、ディックもそれに応えようとするのだが。


なんでこんな底辺が地中に沈んでいくような悲惨な話が楽しいのか? 不思議に思いましたが、彼らは薬物中毒のせいかほんの少し先のことも考えられず、常に刹那的な思考で動いているように見えます。私が人生に苦悩するのは、先のことを過度に心配して不安に苛まれるからだとか、周囲の目に怯えて抑圧されているからなんですが、だからこそ彼らのような欲求に忠実でヤケクソめいた破滅的行動に憧れを抱いてしまうんですよね。実行する勇気はないが、ああいう生き方がうらやましい。真面目にコツコツやれと洗脳されてきてその通りにしてはきたが、それで何か良いことがあっただろうか? いや、何もない。人生は適度に不真面目な方が幸せなんだと思います。薬物は良くないが、ジャンキーの方が実は幸せなのかもしれない。


計画がメチャクチャに狂い、銃撃戦の果てに仲間に胸を撃たれてしまったビリー。しかし彼はそんな理不尽な目に遭いながらも
「人生で最高の日だ。呼んでくれて感謝だ」
と笑っている。
何でか分からないが、深く心に突き刺さる名シーンです。
私もヤク中ジャンキーのような心を持って適当に生きたい。
そんな風に思いました。

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