「フレッシュ・ミート サイケな家族」 感想 ソロモン教+マウリ族=カニバリズム?

概要

原題:Fresh Meat
製作:2012年ニュージーランド
発売:配信のみ
監督:ダニー・マルヘロン
出演:ハンナ・テヴィタ/テムエラ・モリソン/ケイト・エリオット/ジェイムズ・アシュクロフト/リチャード・ノウルズ/フィル・グリーブ

全寮制の学校から久々に実家へ帰ってきたリナ。冷蔵庫を開けると、人の手首が入っていた。彼女がいない間に家族がカニバリズムに目覚めていたのだ。変貌した家族にドン引きするリナ。しかもそこに逃亡中のギャング4人組が転がり込んでくる。ギャングたちはカニバリズム一家の食指から逃れることが出来るのか?

予告編




感想


ギャングたちの押し入った家が、実は危険な食人鬼一家だった!…という話は特別珍しくもありません。が、主役がギャング側の人間ではなく食人鬼一家の娘で、しかもその娘だけは食人鬼ではないってのがちょっとユニークなニュージーランドのスプラッターコメディ。久しぶりに実家に帰って来たら家族が食人鬼と化してるわ、ギャングがエサになりにやってくるわと相当カオスな話です。

食人鬼一家と言ってもクライモリのようなバッチイ感じではなく、閑静な住宅街に住んでいる見た目はごく普通の上流階級の一家。父親は大学の准教授。母親は料理研究家なので人肉料理もかなりのハイクオリティ。何ならちょっと美味そうに見えます。プリッと飛び出す肝臓もインパクト大。でもヤク漬けの肝臓はちょっと嫌かな。肉の貯蔵庫は非常に清潔。カニバリズム映画でこの清潔感は珍しい。しかしよく考えたら食品を扱う場なんだから清潔にしておくべきですよね。

ところでなぜそんな人たちがカニバリズムに走ってしまったのか。彼らはニュージーランドの先住民族マウリであることと、ソロモン教を信仰するようになったのが原因らしい。ソロモン教には人肉食の教えなんてあるのか…

ニュージーランド映画ってあまりなじみが無いというかピーター・ジャクソンしか観たことないし、ニュージーランド自体もキーウィとキウイのイメージしか持ってないんですよね。なので、マウリ族だから教授になれないだなんだとグチられてもまずニュージーランドにおけるマウリ族の立ち位置がよく分からないんですが。ネイティブアメリカンと同じような感じですかね? そんな人種問題に疎い日本人からすると、本作はマウリ族は人を喰ってもおかしくない蛮族だと言ってる差別的変態映画に見えなくもない。

そういう引っかかりはありますが、それを差し引いても面白かったです。こういう映画は先が予測不能であればあるほど楽しくなる。そういう意味では満点に近いトチ狂い方。まあ、終盤は本当に何でああなったのか分からなくなりましたが。

またプライムで配信だけの映画だから全然期待してなかったけど、これは普通に劇場公開されてもおかしくないクオリティ。いや、ニュージーランドでは当然劇場公開されたんでしょうけどね。プライムの新作配信は本当に当たり外れが大きいな。



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