「パッセンジャー」 感想 無職を楽しむなんて許さない

概要

原題:Passenger

製作:2026年アメリカ

配信:Viacom

監督:アンドレ・ウーブレダル

出演:ジェイコブ・スキピオ/ルー・ロベル/メリッサ・レオ/ジョセフ・ロペス


人里離れたハイウェイで凄惨な事故現場に遭遇し、車を止めた若いカップル。だが、再び走り出した彼らの車に乗っていたのは、二人だけではなかった。 彼らのバンに乗り込んでいた"パッセンジャー"と呼ばれる邪悪な存在によって、自由な冒険だったはずの二人のバンライフは逃げ場のない悪夢へと変わる。

(Amazonより)

予告編


感想



会社を退職してキャンピングカーで気ままに旅行しながら生活。そんなカップルが謎の悪魔に憑りつかれ、酷い目に遭わされる。

アマプラ400円。



多少法則性があろうが敵が悪魔なら何でもアリ、主人公カップルがなかなか殺されないのもただ弄ばれているだけ、でも最終的には神の力で立ち向かう。ジャンプスケア重視のホラー演出。質は高いけど、本来あまり好みではないタイプの作品です。



…が、それを差し引いても結構刺さりました。なんせ私も今まさに会社員生活に終止符を打ち、つかの間の自由を謳歌しようとしているところだからです。まあ私は彼らと違ってベンツのキャンピングカーなんて持ってないし、パートナーもいませんけどね! 



しかしそういう物質的なことは問題ではない。本質は精神面にあるのです。会社員という安全な檻からあえて飛び出し、自由という名の危険な道を楽しみに行く。そのように表現すれば、ベンツのキャンピングカーもパートナーもいない私と全く同じ状況である…と言い切っても何ら問題はないでしょう。



となると、あの悪魔はやはり無職の人間を真っ当な社会人に引き戻そうとする圧力的なモノのメタファーと言える。いや製作側の意図は多分そうじゃないと思いますが、そんなことは関係ないんです。受け手が作品をどう受け取るかは自由ですから。それはそれで間違いではない。



旅に出てから6週間後、カップルの女性が


「もうこんな生活はしたくない」


などと言い出します。無職は飽きるとよく聞きますが、たったの6週間で嫌になってしまうものなのか。彼氏の方は旅を続けたいものの、愛する彼女の方が大事なので


「実はフルリモートでいいから仕事に復帰しないか?

 と元上司に打診されてるんだ」


と元の生活に戻るのもアリだよと言ってくれます。どうでもいいけど私もフルリモートの仕事を一度やってみたいものです。無職に飽きてきたらそういう仕事を探してみようかなと漠然と考えてはいますが。そんな美味い仕事本当にあるのかなあ…。



働きもせずブラブラ楽しんでる奴なんて許さんぞ!!とばかりに理不尽な襲撃を仕掛けてくる悪魔さん。これが世間の外圧でなくて何だというのか。それと同時に、彼らが無職に後ろめたさを感じている内面の現れでもある。自由への恐怖、そして逃避の代償。それに立ち向かうには神の力が必要なのだ。無職のメンタルを救うのは宗教。それはいいけど、彼らは結局放浪生活をやめて檻に帰ってしまうのでしょうか。まあ、それはそれで彼らにとって良い経験だったということでいいか。巻き込まれて死んだ人が救われなさすぎますがね。





「パッセンジャー」(Amazon Prime Video)


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