概要
原題:THE MONKEY
製作:2025年アメリカ
配給:角川
監督:オズグッド・パーキンス
出演:テオ・ジェームズ/タチアナ・マスラニー/クリスチャン・コンヴェリー/コリン・オブライエン/オズグッド・パーキンス
双子の少年ハルとビルは失踪した父が残した荷物の中から、ドラムを叩く猿のオモチャを見つける。だが、それはゼンマイを巻くとそこら辺の人が適当に死んでしまう悪魔的オモチャだった。うっかり親を死なせてしまったハルはそれを地中深く封印するが、25年の時を経て奴が復活するのだった。
予告編
感想
ゼンマイ式のサルがドラムを叩いただけで周囲の誰かが面白即死するお笑いホラー映画。
札幌シネマフロンティアで観てきました。
一応スティーブン・キングの原作短編小説は「神々のワード・プロセッサ」に収録されているので大昔に読んでいるはずなんですが、もう全く記憶の欠片も残ってなかったです。大体、サルのおもちゃがドラム(原作はシンバル)を叩いただけで人が死ぬなんてしょうもない話を膨らませるのはかなり無理がありますよね。別に猿が襲ってくるわけじゃないし。短編小説ならまだしも、長編映画となると…
しかし本作は被害者の死に様をお笑いに全振りしてくることによって強引に何とかしていました。ストーリーも一応まあ双子の兄弟の軋轢とか微妙な親子関係とか、舞台となるメイン州の田舎町のムードがそれなりにキングっぽい風味を醸し出してはいます。
が、そんなのどうでもいいしやっぱり無茶苦茶なタイミングで繰り出される滅茶苦茶な死に様を見せて笑わせることに特化した極めて潔い見世物映画と言えます。この監督の前作「ロングレッグス」よりこっちの方が断然好き。
なんせもうファーストキルの腸ズルズルからいきなり噴き出しそうになるし、セカンドキルの鉄板焼きもたまらない。なんでそんなに切れ味鋭いんだ。地味に名前に小ネタ入れてくるし。母親だけはまあさすがに自重した感はあったものの(病名が謎すぎるが)、伯父さんの遺影にはさすがに耐えられませんでした。しかもあの伯父さん、監督本人だった。
ラストシーンの「プップー → 死~ん」を見て思ったんですが、これはもはやキング原作じゃなくて漫☆画太郎原作のような気がしてきました。角川の人もそんな風に感じたようで、公式HPにその画太郎先生の本作コミカライズ(?)が載ってるんですけど、全く持っていつもの黄金マンネリパターンにも関わらず本作そのものとしか言いようがない内容に仕上がってますからね。画太郎先生の漫画がアメリカでも出版されてるのかどうかが気になってきました。
そんな感じで大変好感触の新機軸ホラーではあるんですが、せっかくクライマックスで街ひとつが壊滅するような超展開になるのに、そこが映像で表現されてない点はガッカリしてしまいました。いやさすがに製作費が1千万ドルの映画にそんな贅沢言うのもアレなんですけどね。
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