「ストリート・オブ・ファイヤー」 感想 燃え上がるパレ

概要

原題:Street of Fire

製作:1984年アメリカ

監督:ウォルター・ヒル

出演:マイケル・パレ/ダイアン・レイン/ウィレム・デフォー/リック・モラニス/エイミー・マディガン


人気ロック歌手のエレンがライブ中、ワルのバイク軍団ボンバーズにさらわれる。久しぶりに街へ戻って来ていたトム・コーディは元恋人を救い出すため、ボンバーズのアジトに殴り込みをかける。


予告編

感想



気付いてない人の方が多いでしょうが、このブログのラベル(タグ)に設定してある俳優はエリック・ロバーツとマイケル・パレの2人だけです。





あんまりラベル増やしてもわけわからんし人物名は極力絞りたい。しかしこの2人だけは外せない。



それだけ私の好きな俳優なわけですが、そのくせ彼らの全盛期は何も知らなかったりするんですよね。具体的に言うと、エリック・ロバーツがアカデミー賞にノミネートされた「暴走機関車」は観てないし、マイケル・パレの「ストリート・オブ・ファイヤー」も今まで避けてきました。それはなぜなのか。



やっぱり私が小悪党好きだからなんですよね。2000年代以降のB級映画でしょっちゅう見かけるマイケル・パレは一見爽やかイケオジでありながら裏切り者であったり、黒幕的武器商人・ビジネスマンであったり、あるいは無能な大統領であったりするのが面白くて好ましかったのです。まあ「ヘル・フライト」あたりから裏切りはしなくなったし、外道ビジネスマンも「ジュラシック・SWAT」あたりからやらなくなったみたいですけどね。その代わり最近はサイコなドクター役が増えています。



そんな彼のパブリック・イメージを崩したくない…

普通にかっこいいヒーローを演じているマイケル・パレなんて観てしまったら、これから悪辣サイコドクターを演じるパレを一体どんな顔して観ればいいのか分からなくなってしまう。私の潜在意識がそれを恐れていたとしても無理はないと考えられます。



しかし、一般的にはどうやら「ストリート・オブ・ファイヤー」のトム・コーディ役こそがマイケル・パレのパブリック・イメージでした。当たり前ですね。認めたくないことですが、外道ビジネスマン役のパレを観て熱狂している私の方が多分おかしいんです。多分。



そんなわけで、何かよほどの切っ掛けでもない限り本作を観ることは無いだろう…と長年思い続けていたのですが、この度ついにその切っ掛けがやってきてしまいました。






Michael Pare FanClubの方にこう言われてはもう観るしかございません。



というか、実は今までちょっと怖かったんですよ。Michael Pare FanClubさんとは相互フォロワーになってるものの、例えば「傲慢な態度で命乞いする武器商人役のパレ」などを観て喜んでいる私を見て不愉快な思いをさせていないだろうかと…。もしかしてパレファンの一人としてフォローされているわけではなく、良からぬ言動を監視するためにフォローされているのではないかと思っていた時期もありました。まあ、そんなことは無かったようで良かったです。




いつになく前置きが長くなってしまいました。それで本作についてですが、内容的には正直私の守備範囲外のジャンルです。なんせ「恋愛ロックミュージック映画」ですからね。バイオレンスなアクションもありますが、そこは死人が出ない程度のマイルドさ。ストーリーは悪のバイカー集団にさらわれたロック歌手の元恋人をパレが助けに行くという至極シンプルなもの。お話云々よりビジュアルと音楽、そしてマイケル・パレの格好良さで人々の記憶に残った作品だと思います。



そう…マイケル・パレが驚くほど格好良いんです。電車に乗って初登場するシーンだけでもうビビリます。若い頃はこれほどのイケメンだったとは…。上に貼った予告編で観れますが、恋人を助けに来た時にバタフライナイフをカチャカチャするシーンもスゴイ。80年代的カッコよさに満ち満ちています。いや、これは今でも充分通用する。



別に強そうな雰囲気はしないんですが、このイケメンオーラだけでワルのバイカーたちを蹴散らしてしまえる逸材です。たとえ上半身裸のサスペンダー姿になっても。



声はあまり変わってないのもあって(ワタシ的には)凄まじい違和感です。なぜこんなスーパースターがその後こんな風になってしまったのか。やって来る仕事を何でもかんでも引き受けすぎるせいで機を逸したとしか思えません。出演作の選択は重要ですね。



役者としてのインパクトは悪役のウィレム・デフォーもかなりのものがありますね。上半身裸なのにマグロ漁師の胴付長みたいなもんを付けて登場されてはたまらない。そんなイカしたふたりが巨大ハンマーで殴り合うクライマックスのなんとエキサイティングなことか。ダイアン・レインではなく相棒の女兵士と共に去る幕切れもまた格好良く決まっており、これは確かに何十年経とうが「ストリート・オブ・ファイヤーのマイケル・パレ」と言われ続けるだろうなと思いました。





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コメント

ジェニファー・寝盗るッス さんのコメント…
お久しぶりです。岩石様がついに「ストリート・オブ・ファイヤー」をご覧になったということでしたのでコメントを入れてしまいました。岩石様の屈折したマイケル・パレのパブリックイメージにはいつも笑わせていただいております♪
岩石入道 さんの投稿…
>ジェニファー・寝盗るッス さん

お久しぶりですね。2年ぶりのコメント!
ジェニファー・寝盗るッス さんも「ストリート・オブ・ファイヤー」ファンでしたか。
これ観てなかったら私と同じイメージを持つと思うんですが、観てない人などいないレベルの名作ってことですね。