概要
原題:An Unquiet Grave
製作:2020年アメリカ
配信:トランスワールドアソシエイツ
監督:テレンス・クレイ
出演:ジェイコブ・A・ウェア/クリスティーン・ナイランド
ジェイミーは交通事故で妻ジュールズを亡くし、失意の底に沈んでいた。その悲しみを共有するジュールズの双子の姉妹エヴァと共に、死者蘇生の儀式を実行することに。だが、禁断の外法は彼らにそれなりの代償をもたらしてしまう。
予告編
感想
愛する者を失った悲しみに耐えられず、怪しい儀式で生き返らせてみたら何か恐ろしいことに…
…と見せかけてそれほど大したことにはならないホラー謎映画。
アマプラ299円。
尺が75分と短いんですが、実際見てみるとポロニア・ブラザーズ・エンターテイメント作品並みに長く感じます。5分の短編で済む話を15倍に引き伸ばしたような極めて薄い内容だからです。基本、森か車の中で男女2人しか出てこないし。かといってクソ映画っていうほど突き抜けた酷い要素もないし。なので、今回はネタバレを気にせず書かせていただきます。じゃないと何も書きようがない。
この手の話だと「ペット・セマタリー」みたいに生き返らせた妻が邪悪な存在と化し、かじりついてくる展開を期待してしまいます。が、全くそんなことはなく、死んだ妻の魂がちゃんと還ってきます。ただし双子の姉妹の片割れを騙してその体に魂を入れた、という点が他の類似作とは異なる点。
「自分の身内を犠牲にしてまで生き返りたくない!体にも違和感がある!」と至極真っ当な反応を示し、元に戻してくれと訴える妻。しかし当然ながら「もう元には戻れないんだ…」と言い聞かせる夫。まあこの手の話で簡単に元に戻れたら台無しですからね。犠牲にしてしまった双子の姉妹への罪悪感を抱えて苦しむ人生が待っているのでしょう。
と思ってたんですが、何やかや特に大した代償もなく元に戻ってオワリ。これは一体どうしたことか。血しぶきと腐敗汁を呼ぶ禁断の外法かと思いきや、一時的にでも亡き妻と話すことが出来ただけなのでイタコと変わらないのではないか。最後には「こんなことするんじゃなかったなあ」みたいな顔をしてたけど、実質的に失ったものは何もない。
騙されて死にかけた双子の姉妹と夫とのバトルが始まるならまだ楽しみようがあるけど、当然そんな見せ場はなく。まあ…クソ映画ではなかったけど、むしろその方が観ている方としてはつらい。彼らではなく、私の方が299円+75分という大きすぎる代償を支払ったというオチでした。
「ダーク・インテンション 大きすぎる代償」(Amazon Prime Video)
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