「超・大地震」 感想 地球もたまにはガス抜きしたい

概要

原題:PLANETQUAKE

製作:2024年アメリカ

発売:ニューセレクト

監督:モンロー・ロバートソン

出演:マイケル・パレ/エリカ・デューク/フィリップ・ボテロ/アンソニー・ジェンセン/エリン・ガル


マリアナ海溝で大規模な地殻変動が発生。M8クラスの大地震が世界各地で勃発する。地震学者のミリーたちは80年代に作られた衛星レーザー兵器でプレートを照射。だが、計画は失敗。残された手段は、地球の核にリグで穴を開け、爆弾を放り込んでガス抜きをするというどう考えてもやばそうなやつであった…


予告編

感想



毎度おなじみアサイラムのディザスターパニック最新作。

これもマイケル・パレ主演…と言いつつエリック・ロバーツやショーン・ヤングと持ち回りでやってそうな脇役お偉方でした。



「新・大地震」だの「首都大地震」だのとまるでシリーズ作品のような雰囲気でリリースされてますが、内容的には特に関連性はありません。まあ、地震がテーマの災害映画でシリーズ化した作品というのは寡聞にして知りませんが。…いや、「ショックウェーブ巨大地震」があったか。



その「ショックウェーブ」は地震映画なのに画面は全く揺れず、出演者が手で机をガタガタ揺らして地震が起きてる雰囲気を醸そうとしていた信じがたい地震クソ映画でした。そんなもんを目撃した後のため、本作の出来がものすごく良く見えるという喜ばしい現象が私の身に起きています。



なんせちゃんと画面は揺れるし、建物は派手に崩壊するし、旅客機は猛烈な勢いで胴体着陸するし、(なぜか)鎌倉が災害に襲われる描写はあるし、衛星兵器からド派手にレーザーを撃ち込みまくるし、揚げ句の果てには地球の核を破壊するトンデモ展開まで見せてもらえる。



そんなことしたら「事態が悪化するだけでは?」と至極冷静に突っ込みを入れるマイケル・パレまで拝めるのだからたまらない。こんなサービスシーン満載の地震映画なんてそうそうないですよ。



これは近年のアサイラムディザスター映画としても大当たりの部類。いつもは自称科学者たちがわけのわからん議論ばっかりしてるだけですからね。本作は10年くらい前のアサイラムでは定番だった「主人公の家族が違う状況でサバイバルを強いられる」というサブプロットが久しぶりに組み込まれており、アサイラムも少しは手間のかかった映画を作る気になったことがうかがえます。ちなみにそちらの方は「エア・ロック」を意識したようなシチュエーションでこれも悪くない。



とは言っても「ショックウェーブ」とか他のアサイラム製クソ映画で苦しんだ後だからそう思うのであって、普通の人が観たら本作も充分クソ映画だろうなとは思いますが。地球規模の巨大地震を何とかするために地球のあちこちにレーザー兵器を当てるというのもなんかよくわからないし、それがダメだからといって地球の核を破壊してガス抜きをするのよと言われても余計にわからない。というかそれで下手にハッピーエンドをするより、順当に地球が爆発飛散してくれた方がよりおもしろいエンディングになったんじゃないかと思います。




「超・大地震」(Amazon Prime Video)


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