概要
原題:Quicksand
製作:2023年コロンビア
発売:アットエンタテイメント
監督:アンドレス・ベルトラン
出演:カロリーナ・ガイタン/アラン・ホーコ/セバスティアン・エスラバ
仕事でコロンビアへやってきた離婚寸前の夫婦。友人の勧めでコロンビア最大の滝であるラ・チョレア滝までハイキングすることに。だが天候不順で引き返してくると、武装した車上荒らしに出くわしてしまう。夫婦は逃げ出すが、今度は森の中で脱出不能の泥沼へはまり込んでしまい…
予告編
感想
珍しいコロンビア産のアニマルパニック(?)。
どうでもいいけど公式の予告編の再生回数67回(10/17時点)って…なんか心配になりますね。
離婚の危機を迎えている夫婦がハイキングで訪れた森の中で底なし沼(流砂)にはまって動けなくなり、そこにデカいヘビやアリンコが喰らいついてくる。
まあ、どちらかといえばアニマルなパニックを見せたいわけではなく、極限状況を通じて夫婦の仲が変化していくミニマムな人間ドラマが主題と感じられる作品です。結婚は人生の墓場、一度こじれた夫婦生活は地獄の底なし沼一直線というわけですね、わかります。映画としても非常によくあるパターンなので、ヘビに限っても「ミッドナイト・スネーク 絡み合う毒牙」なんて類似作を思い出しました。
ところが私はそういう人間ドラマにはビタイチ興味がないので、ここではパニック描写についてのみ述べることにします。
その観点で言うと、一番の見どころは奥さんのうなじにデカいアリンコがウジャウジャたかっている場面ではないでしょうか。あれは実物のようでリアルにザワザワします。アニマルパニックではかなり地味な存在感のアリンコ。出てくるとしても、「アンツ・パニック」系のように巨大化するか、あるいはインディジョーンズ等で見られるように何千万匹も群がってきて人を骨だけにする群体としての化け物扱いされるのが常です。
そこへ行くと本作のアリはせいぜい10数匹で、沼やヘビに比べればただちょっとした気色悪さを演出するだけ。カレーの隠し味に入れた蟻酸程度の存在感しかない。のですが、この中ではそこが一番おいしい部分。
ヘビについても出番が少なすぎて何とも物足りないんですが、噛まれた後に毒が回ってくる描写の方にはなかなかリキが入っていました。底なし沼にはまった状態でヘビの神経毒が回ってくる絶望感。…とはいえやっぱりアニマルパニック好きの歪んだ欲求を満たすほどのものではないので、倦怠期の夫婦が己を見つめ直す一助とするための映画かなと思いました。
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