「シン・感染恐竜」 感想 シン・スクランブルエッグ

概要

原題:Ebola Rex

製作:2021年アメリカ

発売:コンマビジョン

監督:ダスティン・ファーガソン

出演:メル・ノヴァク/エリック・アンソニー・ルッソ/マイク・ファーガソン


最新の科学技術で復活した最強の肉食恐竜ティラノサウルス・レックスがロサンゼルスの研究所から脱走。

しかもその恐竜は非人道的な実験により最悪の感染症、エボラ出血熱のスーパー・スプレッダーとなるべく開発された生物兵器だった…!

獰猛な恐竜とパンデミックという2つの災害に同時に直面したLAの街では "ジュラシック・ロックダウン" が発令され厳戒態勢が敷かれる一方、米軍による感染恐竜駆除作戦が開始されるが…。

(↑コンマビジョン公式HPより)


予告編

感想





あの歴史的クソ映画「サメデター」の監督ダスティン・ファーガソンによる新作クソ映画。


ジャケ絵と邦題はなかなかキャッチーですが、さすがのコンマビジョンでも良心が咎めるのかそれともクレーム対策なのか「うわっ!ダマされた!」「タイトル&ジャケットはイメージです」などと予防線のような煽り文句を入れてきています。わざわざそんなこと書かなくても分かってる人しか借りないと思いますけどね。



しかし、分かっててもこれはあまりにもひどい。想定以上の超絶ゲボカスクソ映画です。こんなの「デストイレ」が名作に見えてくるほどひどすぎる。ちなみに別に怒っているわけではなく、むしろ感心しています。こんなもので大して儲かるはずもないのに、わざわざ製作・流通させている人々はなんと歪んだ情熱を燃やしているのか。それはそれで尊敬に値します。私にできるのは一人でも多くのクソ映画マニアに興味を持ってもらえるように、激しくボロクソにけなすことぐらいです。



アバンタイトルこそ初代PSレベルとはいえ一応CG製の恐竜が街で暴れてヘリと戦うスペクタクルなシーンが存在し、「この調子でいけばサメデターの100万倍は面白い映画になっているのではないか!?」と好事家の胸を高鳴らせてくれますが、その後は全て蛇足と言っても過言ではありません。



異様に長いオープニングクレジットで早々に悪い予感を喚起させ、知らないオッサンがスクランブルエッグを作っている様子をやたら長々と映し出すシーンで確信に至ります。「サメデター」もそうだったけど、この映画も別に何もやることがないのではないか。テキトーに時間つぶしてるだけだこれ…



わざわざ映画製作などという手間のかかる仕事をしておいて「やることがない」とはどういうことなのか。スクランブルエッグの後も全く知らない半ズボンのオッサンが恐竜のテーマパークを回って楽しんでいる様子を延々と見せられたり、途中休憩でケバいオバサンの意味不明な語りを聞かされたりします。実質1時間もないような映画なのに途中休憩。確かに休憩したくなる内容だけども。



エボラに感染した恐竜がどうとかそんな話はどこへやら、いつの間にかまた別の知らないオッサン同士がウダウダ揉めはじめ、それがひたすら延々と…本当に延々と続きます。どうでもいいにもほどがある。こんなにも興味の持てないストーリー展開もなかなか常人には考え付けませんよ。真面目に観てたら発狂するかも。



さすがにそれだけでは間が持たないのか、感染恐竜の行方を追う別のオッサンの自撮り映像が同時に進行します。が、コイツもずっと自撮りしながら恐竜の糞や小便の味がどうとかキモい独り言をブツブツ喋っているだけです。逆にどうやったらこんなひどい映画が作れるのか。



エンドロールも約10分と途方もなく長く、ただただ全編に渡って「引き伸ばしたい」という怠惰な意思しか伝わってきません。しかし肝心の引き伸ばす原液もないから「極限まで薄めたカルピス」にすらなっておらず、トイレの水を下水で薄めた(?)ような汚物としか言いようのない極悪な仕上がりとなっております。



…とはいえ、これでも「サメデター」よりはまだましかなと思います。あれはほんと夕日が沈むシーンしか見所がありませんでしたからね。こっちにはスクランブルエッグを作るシーンがあるから…


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