「マー サイコパスの狂気の地下室」 感想 そこそこ楽しめるけど、刺激は少ない

概要

原題:MA
製作:2019年アメリカ
発売:NBCユニバーサルエンターテインメントジャパン
監督:テイト・テイラー
出演:オクタヴィア・スペンサー/ジュリエット・ルイス/ダイアナ・シルヴァーズ/コーリー・フォーゲルマニス/ルーク・エヴァンス

高校生のマギーたちは酒を手に入れるため、酒屋の前を通りがかったスー・アンという中年女性に声をかける。それをきっかけにマギーたちはスー・アンと仲良くなり、彼女を「マー」と呼んで週末のたびに彼女の家の地下室で酒盛りをするようになる。しかし、スー・アンはマギーたちに対する異常な執着を見せはじめ…

予告編


感想


見るからに善良そうな肥満体の黒人中年女性スー・アンが実はやばい奴だったというホラー。しかし別にサイコパスではありません。サイコパスは冷酷で感情が欠如した人間のことですが、スー・アンは凶行に走っても仕方ないだけの理由がある。後天的にちょっとサイコっぽくなっちゃったかなという程度。

そういう意味ではかなりありがちな復讐ストーリーで、目新しいのは殺人鬼を善良そうな見た目のオバサンにしたことぐらいかなという印象は否めない。とはいえ丁寧に作られたA級映画なのでそこそこ楽しめました。



スー・アンは酒盛りパーティをしたくてしょうがない田舎のアホ高校生どもを自宅の地下に誘い込むわけなんですが、この高校生たちの描写には結構ウンザリさせられます。田舎の高校生の頭の中にはハッパと酒と恋愛しかないらしい。私が高校の時はTVゲームと映画と読書に没頭していたのでこういうパリピ共とは全く相容れない生物なんです。

そういう人間から観ると内気ゆえに酷い目に遭わされた過去を持つスー・アンの方にどうしても肩入れしてしまい、いけ好かないパリピどもを地下室に閉じ込めてアレコレやってしまうクライマックスでそこそこの爽快感を味わうことが出来ました。特に、綺麗なお肌にアイロンジュワ~は良かった。

…とはいえ、ホラーとしてはめちゃくちゃヌルイです。監督のテイト・テイラーは心温まるヒューマンドラマ系の映画で有名になった人らしく、それでこういうホラーでもいまいち優しい感じになってしまったのかなと。それとも私がムゴイものを求めすぎなんでしょうか?

アイロンジュワ~された奴とか刺された奴とか縫われた奴はまあいいとしても、顔をペンキで塗られただけで済まされた奴は実質ノーダメージだったわけでかなり納得がいかない。あれは後で揉めると思いますよ。何でお前だけ無傷なんだよ!って。

まあ別に高校生がスー・アンに直接何かしたわけではないから…ってのもあるかもしれませんが、そんなんで手心を加えてくれる殺人鬼なんて怖くも何ともないですからねえ。

殺人鬼と言いつつ実はキルカウントもたったの2しかない。それもぶっ殺されて当たり前のクズ野郎どもなので怖いというよりはホラー映画の主役としてそれぐらい最低限の仕事だよな、と思ってしまいます。メルセデスをぶっ飛ばすのはそれなりに爽快でしたが、ベンの方はやっぱりヌルイのではないかと。でもあのラストを観ると優しくても仕方ないのか。

一番怖かったのはさりげなく背後に写り込むスー・アンの娘でした。


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